異文化コミュニケーションの基礎の基礎、「社会人基礎力」とは?!

異文化コミュニケーションの基礎の基礎、「社会人基礎力」とは?!

異文化コミュニケーションの基礎の基礎、「社会人基礎力」とは?!

グローバル人材に必要な能力といえば、「英語力」とか、「コミュニケーション能力」という回答を聞く事が多いでしょう。もう一回、グローバル人材になるための条件、異文化コミュニケーションの基礎を再考してみましょう。経済産業省・文部科学省編「産学人材育成パートナーシップ グローバル人材育成委 員会報告書」(2010 4 23 日)によると、「グローバル人材」とは、「グローバル化が進展している世界の中で、主体的に物事を考え、多様なバックグラウンドをもつ同僚、取引先、顧客等に自分の考えを分かりやすく伝え、文化的・歴史的なバックグラウンドに由来する価値観や特性の差異を乗り越えて、相手の立場に立って互いを理解し、更にはそうした差異からそれぞれの強みを引き出して活用し、相乗効果を生み出して、新しい価値を生み出すことができる人材」と定義しています。

 「グローバル人材」に共通して求められる能力等として、

 ①「社会人基礎力」は基盤として必要になる能力、つまり「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力、

「柔軟性」「状況把握力」 「創造力」、

異文化理解・活用力である「発信力」「傾聴力」

②外国語でのコミュニケーション能力

③「異文化理解力・活用力」

 a)「異文化の差」が存在することを認識して行動する

b) 「異文化の差」を「良い・悪い」と判断せずに、興味・理解を示し、柔軟に対応できる

c) 「異文化の差」をもった多様な人々の中で比較した場合の、自分を含めたそれぞれの強 みを認識し、それらを引き出して活用し、相乗効果を生み出して、新しい価値を生み出 すこと。

④「基礎学力」:読み書き、算数、基本 IT スキル

⑤「専門知識」:仕事に必要な知識や資格

⑥「人間性、基本的な生活習慣」:思いやり、公共心、倫理観、基本的なマナー

 

などがあげられます。ここでやはり大切なのは、全ての礎ともいえる「社会人基礎力」と言っても過言ではありません。もちろん、「社会人基礎力」だけでグローバルリーダーになれる訳はありません。しかし、「社会人基礎力」がなければ、他の能力―「語学力」、「異文化理解力」―も全く意味をなさないでしょう。今回はその「社会人基礎力」について掘り下げていこうと思います。

 

1.       前に踏み出す力

まず最初に上げられるのが「前に踏み出す力」です。その能力要素は「主体性」、「働きかけ力」、「実行力」があります。人間が生きる上で必要な体力、そして意欲、やる気にかかわります。「前に踏み出す力」で重視する能力要素はまず「主体性」です。主体性は、意欲や自信を支える自尊心、自立性、積極性、自己管理能力までカバーします。そして「働きかけ力」です。「主体性」によって意欲、態度が保証され、それが実際の行動に移そうとするとき、他人をよりよく巻き込む力が「働きかけ力」です。そして小さな成果を粘り強く積み重ね、目標を実現する「実行力」には、大きな目標を小さな目標に分解し、それを達成することで歓びを見出す「達成動機」と、実行したことが効力を発揮するだろうという「楽観的期待感」がその要素として挙げられます。

 

2.       考え抜く力

「課題発見力」、「計画力」、「創造力」が必要です。人が社会的営みをする際に、いかなる状況、どんな些細な場面でも、問題を見つけ、それを理解し解決方法を見出し、それを評価、検証し実行に移すプロセスは普遍的です。「課題発見力」を鍛えるために、まずは知識が情報が必要です。すでに持っている知識や情報、また問題を理解するために収集する情報を通して、課題が浮き彫りになってきます。そして、実際に問題を解決する段取りを立てるときに「計画力」がなくてはいけません。そして「創造力」は、これまでの一連の解決法がうまくいかなかった時、また再考したり、不足な情報を補うのに必須です。

 この「考え抜く力」の大切さは、英語学習においても同じです。経済産業省「社会人基礎力 育成の手引き」では、その実例がでています。

 

「東京女子大学の今村楯夫教授の英語の授業では、まだ知識の浅い時点から、学生に作品理解のヒントとなる「謎」を作品の中に探させます。それを予習で課し、授業ではそれをもとにグループディスカッションをします。作品への理解が浅く、特異な意見や訳がでてくることもありますが、先生はそれを否定せず、それも着眼点の一つのとして評価します。これら一連の作業は、正解を追求するためではなく、わからないことを明らかにするための活動と位置付けられるからです。」

 

3.       チームで働く力

「情況把握力」、「柔軟性」、「規律性」「傾聴力」があります。チームで働く力は、狭い意味では集団の中でよりよい成果を上げることもありますが、広い意味では、チームだけではなく、よりよい人間関係、そして社会に貢献する力も含みます。「情況把握力」は、非言語コミュニケーションの領域で、言葉で言われたくても、期待されている役割を把握し、実施する能力です。そして「柔軟性」。「柔軟性」には、非言語の部分をありますが、言語による意思疎通が中心を占め、他社の考えや行動にどう対応できるかが問われます。そして能力というより、資質、習慣として大切なものが「規律性」です。「ルールや約束、マナーを理解し、守ることができる」「必要な場では、規律や礼儀を正しくできる」など、人としての基本です。そして「傾聴力」。これは、コミュニケーションにおいて、「発信力」より大切だと言ってもいいでしょう。インタビュー技法、コーチング技法といったスキルを終えて、自分の頭の中で相手の言ったことを再構築し理解できるかどうか。それは、相手と協力して何かを作り上げたいという意識があってこそ可能です。そしていかに知識をわかりやすく、かつ説得力のある伝え方ができるかどうか。そして組織をスムーズに運営するための報告、連絡、相談も「配信力」に含まれます。最後に、様々な困難や逆境を前に、「ストレスコントロール力」は最重要事項だと言えるでしょう。

 

4.       最後に

「社会人基礎力」を構成する「前へ踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの柱と、その能力要素12をおさらいしました。これらの土台があってこそ、人材は海外に行っても素晴らしいパフォーマンスを発揮できるはずです。異文化コミュニケーションの研修の前に、まず「社会人基礎力」が備わっているか、必ずチェックを。

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