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「日本企業が生き残る為に必要なキーワードは?」グローバル研修実績No1の講師が語る。

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グローバル時代の勝ち組み

  アメリカの外交力は弱まるばかりと言われるが、ビジネスの世界では、未だにパワフルな企業は少なくない。日本はかつてアメリカが製造業を切り捨てて、金融やサービス業、ITに産業をシフトさせる中、アメリカに代わって製造業を中心に据えることで、世界にインパクトを与えた。

  その製造業も、今回のシャープの台湾企業、鴻海精密工業による買収に象徴されるように、日本が誇る製造業が中国、韓国、台湾、ひいてはインドなど新興国によって、取って代わられる時代が到来しているようにも見える。すでに日本の優れた下請け企業は韓国や台湾企業の下請けに回っている。

  シャープに限らず、ソニーやパナソニック、東芝、富士通、NECといった電機メーカーも、苦戦が強いられており、韓国のスマホ端末に立ち向かえる日本メーカーは、1社もない状況だ。今から20年前、携帯電話端末が重要さを増す中、パリやロンドンの携帯電話の店頭を飾るのは、モトローラやノキアと並び、サムスンやLGなどの韓国勢だった。

  精密機械、特に小型の機器に強いとされた日本メーカーは当時でさえ、見る影もなかった。その出遅れは今もスマホ市場の競争に響いている。かつて世界の携帯端末市場を制していたノキアの当時の社長は「日本は、機能面で3年先を行っている」と言っていたのが、今では理解できない状況に陥っている。

 

誤った思い込みの日本企業

  結局、日本企業の間違った思い込みが、災いしていると言うしかない。本田宗一郎や盛田昭夫は「アメリカやヨーロッパで評価されなければ成功とは言えない」と言っていた。それが国力が増すに従って「世界で最も消費者の要求が厳しい日本で評価されることが重要」との考えに変化した。

  しかし、その間にグローバル化が進み、iPhoneやグーグル端末のNEXUSなどは、「世界同時発売」という手法を取るようになっている。世界を一つの市場として捕らえ、誰もが持ちたい製品を提供していくという思想が、グローバル化時代のキーワードになっている。

 

普遍的な発想を持てないジレンマ

  ところが、日本メーカーは、日本の消費者にこだわり過ぎて、日本市場を「ウチ」、海外市場を「ソト」という考えから抜け出せない。だから、「日本人にとって」どうなのかという思考はあっても、「人間にとって」という、より普遍的な発想を持てないでいる。だから、ガラパゴス化しているのは携帯端末だけではない。

 お隣の韓国では、韓国人に支持されたからといって世界で売れる保証などないから、最初から「世界ではどうかと」考えられる。グローバルビジネスの先頭を走るアメリカ企業の模倣をすることで成長を遂げてきた。無論、彼らも次のシナリオが描けなくて苦悶している側面もある。

  今の時代は、経営判断を間違えば、一挙に衰退せざるを得ないほど競争が激化している。その意味では、日本のリーダーには、果たしてグローバル市場を制す気概があるのか、はなはだ疑問だし、日本人ではなく、人間という普遍的思考に切り換えられないジレンマがある。


リーダーに求められる資質

 そのためには大局的に物事を見つめる視点と、幅広い教養スケールの大きさ柔軟性を持った判断力がリーダーには求められる。シャープの判断も一歩間違えば、技術だけ吸い上げられて捨てられる可能性もある。世界は性善説では動いていないことを常に念頭に置くべきだと思う。

コラム50 2・29・2016記

安部雅延 (あべ まさのぶ)

国際ビジネスコンサルタント。欧米アジア・アフリカ地域での豊富なグローバルビジネス経験あり。フランス・レンヌの国際ビジネススクールで20年以上、グローバルマネジメント、異文化間コミュニケーション、交渉術、比較文化などの教鞭を取る。日本企業の研修経験豊富(日産自動車、日立、日本通運、東芝、富士通、NEC、ニッスイ、ホンダロジスティックス、DeNA、三菱東京UFJ銀行など多数)。さらにフィリップス、HSBCなど外資系企業も多数。特にグローバル人材開発に特化し、最新の理論、現在進行中のグローバルビジネスへの関与等による豊富な経験談、データ、実際に起きた事例を駆使するのが特徴。国際ジャーナリストとしても活躍し、雑誌などに寄稿。これまでに30カ国以上を取材し、世界の政財界、学者へのインタビューも多い。

著書『日本の再生なるか』(財界通信社)、『下僕の精神構造』(中経出版)、訳書『愛するモンサンミッシェル』(ウエストフランス社)など。

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東後勝明先生
アイザック語学教育特別顧問
東後勝明

兵庫県生まれ。早稲田大学教育学部卒業、同大学専攻科修了。ロンドン大学大学院教育研究科修士課程修了、博士課程修了。英語音声学、英語教育学専攻。早稲田大学教授、2008年定年退職、名誉教授。1972年~1985年9月、NHKラジオ「英語会話」の講師。英語学・英語教育に関する著書30冊以上。

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