日本人学校VSインター!帯同経験者が語るそれぞれの利点
夫の海外駐在に帯同することに!?どんどんグローバル化が進む昨今、海外駐在と家族帯同は当たり前のようになってきました。急に決まった海外への帯同、生活をするうえで何が一番心配となるでしょうか?
もしお子様がいらっしゃるご家庭であれば、一番気にかかることはお子さんの教育面という方も多いのではないかと思います。そこで今回は実際に現在、旦那様のベトナム駐在に合わせ帯同されている方に、帯同中のお子様の教育事情をお伺いしました。
日本人学校かインターか
まず子供と一緒に海外滞在となると、どの教育機関に入学させるかが大きな問題だと思います。
その際、選択肢としては大きく分けて2つ、日本人学校に通わせるか、インターナショナルスクール(または現地校)に通わせるかという選択を迫られます。これら2種類の学校の特徴やそれぞれのメリットをお伝えさせていただきます。
日本人学校の特徴
帰国後に難関校も目指せる高水準の教育
日本人学校とは日本の教育機関が設立した海外に住む日本人子女を対象にした学校です。文部科学省が認定した全日制の学校ですので、海外にいながら日本とほぼ変わらない教育を受けることができます。
日本人学校の大きなメリットとしては費用が少なくて済むところです。授業料は会社負担で行かせてもらってる家庭がほとんどではないかと思います。自己負担はバス代などの交通費や給食費程度です。
デメリットとしては小学校~中学校までしかない場合が多く、高校進学については進路を考えないといけないところです。帰国して、日本の高校に入学する方と、高校から現地のインターナショナルスクールに行く方に分かれるのかなと思います。
また日本人学校のもう一つのメリットとしては日本国内以上の高水準の教育を受けられることです。もちろんすべての学校がとはいえないですが、全体的に日本人学校の教員の方は教育への意識がとても高い方が多く、またクラス自体も少人数ですので、一人一人の学習を丁寧に見てもらえることが多いです。結果中学や高校入学時に帰国され、日本の教育機関に入学されるお子さんは、世間一般に難関校として知られている学校を受験して見事合格される方が非常に多いとお伺いします。
英語教育は以前から盛んで、中3英検2級取得も!
加えて、最近では日本でも小学校で英語教育が取り入れられ話題ですが、海外ということもあり日本人学校では以前から英語教育が盛んに行われており、レベルが高いと思います。外国人講師が在籍して英語を教えている学校も多いです。検定も積極的に受験することを推奨しており、学校単位で英検を受験させているところも多いと聞きます。日本人学校では中3で英検2級を目指してるところもあるそうです。日本国内ですと中3なら英検3級と言われていますので、意識の高さが伺われます。
英語に関してもう一つ触れておきますと、日本人学校自体の教育で英語が取り入れられていることはもちろんのこと、一緒に勉強するクラスメイトも既に英語が上手なお子さんがいらっしゃる場合もよくあります。こういったお子さんは既に他の国にも帯同されていて、その時はインターに入っていたけれども、別の国へ移った時に日本字学校に転校されたという方もいらっしゃるので、その場合は英語力が既に相当ついていることになります。
そういった環境の中で勉強するため、子供自身も取りこぼされないようにとの意識が高くなり、結果学力もついてくるところがあるのかとも思います。逆に言うと、そういった環境に急に入れられる子供の負担を考えると、日本人学校に入学される場合もある程度英語を勉強させておいたほうがよいと感じます。
英語を準備しておくと現地でもう一つ役立つことがあります。たとえばレジデンスの受付の人に何かお願いすときや、学校まで送迎車を利用される場合はドライバーの方と何かしらコミュニケーションをとる機会が出ると思います。そんな時にお子さんも英語が話せ、現地のスタッフとある程度コミュニケーションが取れるようになっておくほうが、親としての安心度も増すと思います。
インターナショナルスクールの特徴
異文化交流で多様性が学べ、国際感覚も身に着けられる
インターナショナルスクールは現地で在住する外国人に対して教育を行っている学校です。さまざまな国からきた子供が同じ教室で学習するため、基本的に授業はすべて英語で行われます。
費用面に関しては会社によって補助の範囲が違うと思いますが、小学校の低学年なら出るところやまったくでないところなど様々なようです。日本人学校よりは幾分割高な印象があります。
インターナショナルスクールに通わせる最大のメリットは、多様な文化や人に触れる環境を子供の頃から経験させられること。またそれに伴いしっかりと語学力もつくことでしょう。異文化との交流で日本では得られないコミュニケーション能力や自由な考え方を身に着けられることは非常に大きいと思われます。
勉強を自発的に行う習慣ができる
またインターナショナルスクールの教育方針や授業内容はそれぞれの学校の裁量によって決められていますので、日本の義務教育では受けられない特殊な授業を体験することもできます。欧米系の学校で言うと演劇やミュージカルといった科目を取り入れている学校も多いようですよ。
授業内で出される課題も日本の教育と比べると比重が多く、内容も多様な感じがしますので、自主的、主体的に勉強する癖が子供につくというメリットもあると思います。しっかり課題をこなさないと周りに取り残されという危機感があるので、インターに通われているお子さんはしっかり勉強もされているお子さんが多いです。
インター入学には語学の壁がつきもの
インターナショナルスクールへの入学を考えているのであれば、帯同前の語学学習は日本人学校よりもさらに深刻に考える必要があります。
たいていの学校が入学時に語学の基準テストを課している場合が多くまずこれをクリアしなければいけません。小学校低学年程度であれば英語が全く話せなくても受け入れてもらえる可能性もありますが、この場合でも入学後のクラス内でコミュニケーションが取れないことによる子供の心理的ストレスは計り知れないものがあると思います。(もちろんお子さんの性格によるところもあると思いますが。)
これに加えて、これは海外的な文化だと思うのですが、インターに通っているとクラスメイトからお呼ばれされることが頻繁にあります。海外ではお祝いごとやイベントは主役がゲストを招いてパーティーを行うことが多く、子供同士でもそういった集まりに呼ばれることがあるのですが、そういった場面で語学の壁でコミュニケーションが取れない場合はやはり大きくストレスになることが多いと思います。
ここまで日本人学校、インターナショナルスクールの特徴をご紹介してきましたが、どちらに通うにしても事前のお子様への英語学習は行っておくほうがよいと思います。子供は耳がよく、吸収が早いので、ぜひ今後海外赴任の可能性がある方は早めに英語学習に取り組まれるといいと思います。
子供だけの問題ではない!帯同する妻の語学学習は?
ここまでお子さんの帯同時の学習環境や語学の準備についてお伝えしてきましたが、では逆に帯同する自分自身は語学が必要ないのかといことについてもお話ししたいと思います。
これに関してももちろん答えはYESで、奥さんに関しては英語に加えて現地語も多少話せると生活の利便性がぐっと上がると思います。
英語の必要性
まず最低限英語は話せたほうがいいでしょう。住まわれるレジデンスであったり、周辺のことであれば英語を話せるスタッフがいる場合が多いので、まずは英語で意思を伝えることができれば暮らしていけると思います。
特に日本と違うところが、とにかくクレームを入れる場面が多いということです。こういうと私が非常にクレーマー体質の日本人のように聞こえてしまいそうですが、実際これができないと死活問題です。
私はベトナムに滞在しているのですが、アジア圏ではまだ日本ほどインフラが整備されていない地域も多くあります。このような場所に来ると、水道が止まる。電気がつかない。テレビがつかない。wifiが使えない…なんてことがは日常茶飯事に起こります。こういったトラブルの際にレジデンスの管理者にトラブルを伝えなければいけないのですが、そこで英語が話せず夫が帰ってくるまで待つというのはなかなか不便なものです。
またトラブルが起こった時点ですぐに言わないと、今後同じようなトラブルが起こった際に、あそこの家はあまり文句を言ってこないので後回しでもいいかという風に軽んじられる可能性もあります。ですので、最低限のことは英語で伝えられるようになっておいたほうがよういでしょう。
現地語の必要性
現地語を話せるメリットとしては、タクシーに乗る際や買い物に出たときのトラブルを避けたり出費を抑えられる可能性があるところです。たとえばタクシーに乗る時、現地語である程度行先などを伝えられると、現地滞在者であるということを印象づけられることができ、観光者だと思われ、知らないうちに遠回りされたりすることを避けやすくなります。また単純に現地語で話しかけたほうが心象がよく、この人には悪いことはできないなと思っていただけるということもあるかもしれません。
これと同じ理由で、現地の市場で食材を買ったりする際、値段がついていない商品がたくさんおいてあるのですが、これを現地語で聞くと現地値段で返してくれる場合が多いです。もちろん英語で聞いても、現地語で聞いても同じ値段で売ってくださる良心的な売り子さんもたくさんいますが、中には英語で聞くと観光者向けの少し吹っかけた値段を言ってくる売り子さんもいるので、できれば現地語ができるとより快適に生活できると思います。
語学ができると生活が楽しい
さて英語や現地語が話せないと危ないであったり、生活が大変になるといったようなお話ばかりでしたが、英語ができると嬉しいこともたくさんあり、自分の生活範囲が大きく広がることをご紹介します。
たとえば最低限英語だけ勉強していった場合、途中でやはり現地語が必要だと感じた時に、現地で日本語で現地語を教えてくれるスクールは数が少なく、また値段も高かったりしますが、英語で現地語を教えてくれるスクールは安価なところがたくさんあります。できればまずは英語だけでも勉強していくと、現地で現地語を習得する機会があるかもしれません。
また各国から駐在者が集まるような赴任地であれば必ず、現地に帯同してきた奥様方が集まる婦人会というものがあると思います。もちろん日本人のみが集まった婦人会もありますが、いろんな国の帯同者が集う国際婦人会(International Women’s Community)も必ずあると思います。英語が話せるとそういった他の国からの帯同者の方とも会を通じて交流を図ることができ、子供だけでなく自分自身も国際交流を積極的に行うことができます。
婦人会ではそれぞれの趣味を生かしたお稽古ごとの教室を開いているところもありますので、どうしても家にひきこもりがちになってしまう帯同をアクティブに過ごすこともできます。
以上のことにより、もし海外へ帯同されることになった場合は、ぜひ語学を習得して、自分自身も楽しめる帯同生活を送られていただければと思います。
いかがでしたでしょうか。実際帯同されている方の実体験を聞くと、赴任前の語学学習の有無によって滞在の快適さが大きく変わってくることがわかります。お子様も自分自身もまずは英語、そして余裕があるようなら現地語の学習をして赴任先に出発されてはいかがでしょうか。アイザックは英語+αの2か国語受講も可能です。まずは気軽に語学のお悩みご相談ください。