グローバルで戦うためのマインドセットとは?グローバル研修実績No1講師が語る

グローバルで戦うためのマインドセットとは?グローバル研修実績No1講師が語る

グローバルで戦うためのマインドセットとは?

「グローバル化には、英語教育だけでは足りない」。これはほとんどの日本人の方がー意識的であれ、無意識的であれー周知していることでしょう。では、英語教育以外の領域、例えば異文化理解、マナー、ルールを理解する上で、一番大切な内容は何でしょうか。グローバルで戦うために、どのような心構えが必要でしょうか。また、社員に研修でどのような点を重点的に教えるべきなのでしょうか。今回はそういった点を見ていこうと思います。


1.「インターナショナル化」と「グローバル化」は違うことを理解する

よく企業研修で混同されるのが、「インターナショナル化」と「グローバル化」です。渥美 育子著「グローバル企業で30年間伝え続けてきた『世界で戦える人材』の条件」によると、インターナショナルとグローバルの違いは以下の通りです。


インターナショナル=「国」単位を中心に世界を見る発想、視点、動き

グローバル=「地球」単位で世界全体を見る発想、視点、動き


一見「インターナショナル化」と「グローバル化」は同じように見えて、そのパラダイムの志向性、観点は反対と言っても過言ではありません。例えば、「国」単位の問題解決から、「地球単位」の問題解決へと移行する事でこのような違いがあります。


国中心のため、世界全体が見えず、戦略的になりにくい(国単位)

→世界市場全体(大局)がわかるので、戦略的になりうる(地球単位)


一元化されたルール、グローバルスタンダードが存在しなかった(国単位)

→フェアな競争をするため一元化されたルールやグローバルスタンダードが存在する(地球単位)


自覚症状なしに、自国の文化のメガネを通して相手を見ていた(国単位)

→世界を俯瞰し、かつマルチカルチュラルレンズを用いるため、自国の文化のメガネにとらわれることなく、ありのままを見ることができる(地球単位)


本社がある国や民族が優位に立っているため、現地国の社員をうまく動機づけて、長期にわたるコミットをしてもらうことができなかった(国単位)

→世界社員のデータベースを統一し、全社員を能力によってフェアに評価する。また、本社の幹部に至るまで、昇進できる条件を全社レベルで透明にし、共有する


こう見ると、「インターナショナル化」と「グローバル化」では、営業スタイルも大きく変えねばならないことがわかります。例えば、80年代までは、現地国についての組織的な勉強よりも、とことん努力して身体を張ってターゲット国に売りに行く、ということが求められていました。

しかし、グローバル時代においては、一元化した巨大市場における頭脳作戦、肉眼で見えないものを見通す力、洞察力が重視されます。一つ、2つを売るのではなく、がばっと売る仕組みを考える能力が大切となると言えるでしょう。


2.「グローバルスタンダード」と「現実の市場」の狭間で

 グローバル・ビジネスを行う上で必要なのは、ルールの軸に沿った理解(グローバルスタンダード)と、多様性の軸に沿った理解(現実の市場)を同時に推進することです。グローバルスタンダードは、世界市場の出現によりどの企業も、国境に関係なく差別や格差なくビジネスができるよう国際的に統一された規格、規約、ルールだといえます。しかし、日本人の中には、グローバル時代の特徴である「ルールの一元化」を大切なことと感じてない人も多いと受け取られます。

注意すべき点は、グローバル時代にルールが世界レベルで統一されたということは、ルール違反が一層厳しく罰せられるようになってきているということ。顧客中心、人間関係中心とばかりに規則やルールを考えずに行動していたら、いずれ痛い目にあうでしょう。

ここで大切なのが、マトリックス思考という考え方です。一元化された「グローバルスタンダード」と多様な「現実の市場」は、一見相反する「二項対立」と見えやすいですが、その正反対の価値を、同時に指標として使う「マトリックス思考」により、よりバランスのとれた意思決定をすることができます。マトリックス思考で全体最適の行動をとれる能力であり、コミュニケーション能力や英語力はそのための手段に過ぎません。


3.世界の「コード」を理解するー「リーガルコード」、「モラルコード」、「レリジャスコード」

渥美 育子著「グローバル企業で30年間伝え続けてきた『世界で戦える人材』の条件」によると、世界の人々の行動規範を大きく分けて、「リーガルコード」、「モラルコード」、「レリジャスコード」にわけることができます。その3つを意識することで、より相手の国や企業別の戦略を立てやすくなるでしょう。

リーガルコード

ルールとノウハウに価値を置いている文化圏です。アメリカ、カナダ、イギリスなど、北欧諸国が該当します。この文化圏は、グローバル化によるルールの一元化に最も強い影響を与えたといえます。

②モラルコード

「人間関係」に価値を置く文化圏です。様々な徳性と深い人間関係によって、仕事が円滑に回るという考えです。アジアの儒教兼、ラテンアメリカ、南ヨーロッパが該当します。このモラルコードの国の問題点は、人間関係が権力と結びつくと汚職になりがちだいう点です。

③レリジャスコード

神の教えに価値を置いています。社会の道徳、法律、規範が宗教でまとめられていて、神の教えが政治、経済、文化をコントロールする国です。これはイスラム圏内が該当します。


この三つのコード、どれにも良し悪しがあります。渥美 育子さんによると、リーガルコードが強すぎると訴訟社会に、モラルコードが強すぎるといじめ社会に、レリジャスコードが強すぎるとテロ社会になるといいます。グローバルリーダーは、自ら育ったコードを大切にしながらも、別のコードに対する理解と自己内省が求められるといっていいでしょう。


4.「マネジメント型」と「フロンティア型」

グローバル人材にも、タイプにより求められる資質、能力が異なります。早稲田大学白木三秀教授によると、グローバル人材には二つの種類があるといいます。それは「マネージメント型人材」と、「フロンティア型人材」があります。その二つを頭にいれ、自らがどちらに適しているのか、会社はどちらの人材を求めているのかを意識することで、より一流のグローバル人材になることができるでしょう。


⑴マネジメント型人材とは?

タイ、マレーシア、インドネシアなど、プラザ合意前後で進出している現地では、事業も安定しているので、現地人による組織を管理できる「マネジメント人材」が必要です。


⑵フロンティア型人材

バングラディッシュ、インド、ベトナムなど、これから成長する開発途上国に足がかりをつけるには、課題を自ら発見し、仮説と解決案を自ら立て、それを実行することができる、語学も含めて十分なサバイバル力を持つ「フロンティア人材」が求められています。


5.最後に

いかがでしたか?グローバルで戦う上で、必ず研修でチェックすべき内容かと思います。より競争力のある、グローバルリーダーになれることを願います。


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