コペンハーゲン市内の中心・市庁舎広場から徒歩３分ほどのところに遊園地・TIVOLI　（日本語ではチボリ公園と呼んでいます。）があります。

この遊園地はコペンハーゲンで生まれ育った人なら一度は訪れたことのある場所。

今も昔も年間パスを買って日々の散歩コースにしている老夫婦がいれば、アトラクション乗り放題チケットを子供に買い与え、休日のひとときをビールでも飲みながら過ごす家族がいたりもします。

８０年代はイースター休暇が過ぎた頃から９月の初めごろまでしか開園していませんでした。冬場は公園内にあるコンサートホールでの催しのためにメインゲートから入ることはできても、歓声がひっきりなしに聞こえるアトラクションの数々も、公園内に数カ所ある老舗のレストランも全く利用できませんでした。（一部のレストランは公園側ではないところから入ることのできる入口があるため、チボリ公園閉演中も営業しています。）

しかし、昨今、いろいろな変更が取り入れられ、イースターにハロウィーンにクリスマスに・・・と夏場以外の開園期間が設けられています。（ハロウィーンは伝統的なデンマークの風習ではないのですが、商業的成功をもたらすのなら取り入れようとするのは時代の流れかと思われます。）Opening Hours - Tivoli(tivoligardens.com)

園内にはたくさんの花が咲き乱れ、専門の庭師達が常に美しい状態にキープしていますし、昔からある木造のジェットコースターは小さいながらなかなかの迫力ですが、それだけでは今の子供達を満足させられないので、アトラクションのリニューアルなどは適宜行われています。

けれどどんなに目新しい機械を導入しても、１番人気を勝ち取っているアトラクションは「パントマイム劇場」です。

正面入口を入ってすぐ左手奥にある孔雀をあしらった野外劇場で、ひと晩に数回、生演奏でバレエによるパントマイム劇が演じられています。言葉はなくても誰にでもわかる単純な筋書きで、数十席の座席はありますが、多くは立ち見、昔は子供だった大人たちが当時を思い出しながら皆、笑顔で鑑賞するのが、ここ、パントマイム劇場なのです。演じるのは、厳しいオーディションを受け訓練された優秀なバレエダンサーたちです。演目に必ず出てくるメインキャストはピエロッテ、ハーレキン、クロンビーネ、そしてカサンドラの４名。彼らが巻き起こすコメディータッチのバレエ劇です。パントマイムであるが故に観客は年齢も国籍も関係なく、あっという間に物語に入り込めます。皆さんもコペンハーゲンにご旅行の際には、時間を見つけて、ぜひこの野外劇場でピエロット達にお会いになってください。きっとどなたも楽しい時間をお過ごしになれるでしょう。
TivoliBallet Theatre - Tivoli (tivoligardens.com)