14段階の「英語学習法」3級編 初心者でも絶対に上達するおすすめの勉強法!

英語を母国語のように使いこなせるまでの道のりで一番基本となることが「基礎を
怠らない」ということです。初心者も疑似初心者(かつて何年も学校で勉強してきた
が、ほとんど使い物にならず、やり直したいという人)も最大の急務は、日本脳とは
別に英語脳(英語を英語で理解する脳)を創りあげることです。英語脳という入れ物
さえ創れば、日本語脳の中に入っている知識を英語脳の方に移動させるだけで、これ
まで使い物にならなかった英語の知識を、初めて生きた英語として用いることができ
るようになります。そのためにまずは、「知っていること」を確実に「使えることへ」
が目標です。
3級は、英検でいうと準2級、TOIECでいえば570点を取れるレベルです。これからいよいよ本格的に英語で学び、英語で仕事をするための訓練が始まります。まずは、英語圏の中学生の教材を使って学んでみましょう。
<使用するテキスト>
➊ Oxford Bookworms Library Stage 5 (1800 headwords)……5冊
Oxford University Press 参考価格CD Pack 1,100円前後 CDなし800円前後
Sense and Sensibility: CD Packを含む5冊
(他の4冊はCDなしで結構です)
❷ ネイティブに通じる英語の書き方
ジャパンタイムズ 伊藤サム(著)本体価格1,500円
❸ アメリカの中学教科書で英語を学ぶ
―ジュニア・ハイのテキストから英語が見えてくる
Cambridge UniversityPress RaymondMurphy (著) William R.Smalzer (寄稿)
参考価格2,720円
❹ English Grammar in Use With Answers (Book & CD-ROM)
Cambridge University Press Raymond Murphy (著) 参考価格3,290円
1.成長記録ノートを作成し、英借文練習ノートで英文を反復練習すること
『Sense and Sensibility』はJane Austenの処女作で、何度もテレビドラマや映画化された作品です。日本では映画「いつか晴れた日に」(1995年)としてよく知られています。(DVDで見る場合は、字幕なし→字幕入り→字幕なしで見てください)。
Oxford Bookworms Library Stage 5のリスニングとリーディングの練習要領は6級から4級までの方法と同じです。リーディングとリスニングの成長記録ノートを作成してください。ただ、これまでの学習方法とは違う点が1つあります。音読の回数を5回前後に減らして、その代わりに英借文練習ノートへ、気に入った文章・使いたい表現をどんどん書き入れて、その文章が自然に出てくるまで何度も反復練習することです。できれば、3級と2級の段階では50枚綴じ(100ページ)のノートを練習した英文で月2冊埋めるぐらい熱心に反復練習を行ってください。
2.『ネイティブに通じる英語の書き方』で、英文ライティングを練習すること
伊藤サムの『ネイティブに通じる英語の書き方』は、日本式英作文授業によって汚染された英語学習者の悪いクセを洗い流してくれる素晴らしいテキストです。
最初に、「英語で書く10カ条」が紹介されていますが、現代英文ライティングの的をついています。
1.シンプルに書く
2.最初に結論を書く
3.短いセンテンスで書く
4.具体的に書く
5.どんどん書く
日本語原文をもとに英文を作成する(英文和訳)時の心得
6.まず和文「和訳」
7.辞書類を活用
8.自身が持てない語句は使わない
9.英語の基礎は固めておく
10・書く時も「英語で考える」
(『ネイティブに通じる英語の書き方』15-16ページ)
また、英語圏のジャーナリズム学部や新聞社で知られているライティングの原則として、
「KISS」= Keep it Simple, Stupid!
(アホ、もっとカンタンに書け!)
ということを紹介しています。
とにかく読み物としても面白いので、一気に初めから終わりまで読めるでしょう。英語脳についても120ページに「号外」として、おもしろい記述が載っています。日系米国人編集者の頭の中では日本語脳から英語脳に切り替わるとき「カチッ」というスイッチ音が聞こえるそうです。日刊英字新聞『ジャパンタイムズ』元編集長の伊藤サムさんによる、English writingの現場を通じて蓄積されたノウハウが詰まった『ネイティブに通じる英語の書き方』を活用して、バイリンガル頭脳をさらに磨いてください。
3.アメリカの中学教科書を使って、教養知識を英語でも身につけること
『アメリカの中学教科書で英語を学ぶ』は、実際のアメリカの教科書の内容なので、とても素晴らしいのですが、14段階方式上達法の訓練システムで鍛えられたあなたにとっては日本語訳のついていない方が理想的です。これまでのやり方通り、一応意味を把握するための補助手段として日本語で目を通しても構いませんが、その後は日本語の方は忘れてください。英語を母国語とする国に友人・知人がいるのであれば、その国の中学校で使用されている教科書の中から、興味のある科目を選んで送ってもらうと大変参考になります。
アメリカの中学生がどのような教科書を使って歴史、数学、英作文、科学・化学などを勉強しているのか、アメリカの中学生になったつもりでチャレンジしてみてください。重要な単語は発音記号付きで載せてくれているので、辞書を引く時間の手間もだいぶ省けると思います。
日本語でも知識として知っていることではありますが、英語で中学生の教科書を学ぶことで、英語での一般教養に関する知識と表現力が養われます。例えば、「赤道」を何と言うか分かりますか? 「放射能」や「針葉樹」はどうでしょう? 分数の計算を英語で言えるでしょうか? これらは日本語であれば分かって当然のことのはずです。日本語で分かることは、英語でも分かるようにならないと、本当の意味で英語を使えることにはなりません。少なからず、こうした教養知識は社会生活を送るうえでとても重要なことです。そうした意味においてもこの教材の素晴らしさが分かります。ちなみに、「赤道」はequator、「放射能」はradioactivity、「針葉樹」はconiferです。
通読した後は、自分の興味に合わせて1科目か2科目に絞って詳しく学ぶのもいいでしょう。今後の個人的、社会的な必要度から言えば、genes,chemical control, body maintenance, aging, global warmingといった、これからますます英語圏からの情報が必要になってくる話題をカバーしている「Science」を選択して学んでみるのが賢明かもしれません。興味のある科目、もっと知りたいテーマを見つけたら、これを機会にその分野のことをもっと深く、もっと詳しく「英語で」学んでみて下さい。
4.構文練習を行い、英検準2級の試験に挑戦すること
上級編でカバーする英語構文は『EnglishGrammar in Use』のUnitsで例文の練習とexerciseを行います。では、次の構文を該当するUnitsで練習しましょう:
Future continuous Unit 24
Future perfect: Unit 24
Passive (modals, continuous forms) Units 42 - 44
Would have conditional clauses Unit 36
Modals + perfect infinitive Units 43-B, 54-B, 58-C
So/such…that result clauses Unit 102
ここまでの練習メニューをこなしていれば、英検準2級の合格点は問題なくクリアできるでしょう。実際の英検試験を受けてみるか、または財団法人日本英語検定協会の公式ホームページ(http://www.eiken.or.jp/)から最近の試験問題をダウンロードして自己採点してください。このホームページに、Can-do リストがあり、そこで準2級合格者に求められる「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能のレベルが示されているので、チェックリストとして使ってください。
読む: 簡単な説明文を理解したり、図や表から情報を得ることができる。
□ 簡単な説明文を理解することができる。(外国の生活や文化を紹介する教材など)
□ 公共の施設などにあるお知らせや注意事項を理解することができる。(会場使用上の注意など)
□ 簡単に描かれた図や表から、必要な情報を得ることができる。(いろいろな調査の 結果のグラフなど)
□ 時刻表を見て、目的地や到着時刻などの情報を得ることができる。
聞く: 日常生活での話題や簡単な説明・指示を理解することができる。
□ 興味・関心のある話題に関する話を理解することができる。(趣味に関すること、好きな音楽や スポーツのことなど)
□ 日常生活の身近な話題に関する簡単な話を聞いて、その内容を理解することができる。(学校、 クラブ活動、週末の話など)
□ 授業や研修で先生の指示を理解することができる。 (例:Answer the question on page27. / Give some examples of ....)
□ 簡単なアナウンスを聞いて、理解することができる。(集合場所、乗り物の出発や到着時刻など)
□ 簡単な道案内を聞いて、理解することができる。 (例:Go straight and turn left atthe next corner.)
□ 簡単な内容であれば、電話で相手の話を理解することができる。(日時の約束、短い伝言など)
話す: 日常生活で簡単な用を足したり、興味・関心のあることについて自分の考えを述べることができる。
□ 興味・関心のあることについて、自分の考えを述べることができる。(好きなスポーツ、 趣味に関することなど)
□ 自分の将来の夢や希望について、話すことができる。(訪れたい国、やりたい仕事など)
□ 自分の気持ちを表現することができる。(うれしい、悲しい、さびしいなど)
□ 簡単な約束をすることができる。(会う場所や時間など)
□ ファーストフード□レストランでメニューを見ながら注文をすることができる。(食べ物、飲み物、サイズなど)
□ 電話で簡単な表現や決まり文句を使って応答をすることができる。 (例:Please wait a moment. /Hold on. / Speaking.)
書く: 興味・関心のあることについて簡単な文章を書くことができる。
□ 自分の将来の夢や希望について、書くことができる。(訪れたい国、やりたい仕事など)
□ 自分のお気に入りのもの、身近なものを紹介する簡単な文章を書くことができる。(自分のペット、好きな本など)
□ 短い手紙(Eメール)を書くことができる。(友達やペンフレンドへの簡単な手紙など)
□ 簡単なお知らせを書くことができる。(パーティーの日時や場所、文化祭の日程など)
□ 簡単な予定を手帳やカレンダーなどに書き込むことができる。 (例:Meet Yoko at the stationat ten / Go shopping with Jill)
上級レベルに進級した皆様にとっては少しやさしすぎて物足らないかもしれません。もちろん、英検の代わりにTOEICに挑戦するのは自由です。600点前後のスコアは出せるでしょう。
5.毎日必ず「チェックリスト」でチェックすること
確実に英語を母国語のように使いこなせるレベルまで自分1人で努力するためには継続するための工夫が必要です。確実に練習メニューをこなすためには、この学習法を良く理解している「アイザック外国語スクール」のようなところで指導を受けるのが理想的ですが、それができない場合は親や兄弟に「チェックリスト」で、練習を怠けていないかどおうかチェックしてもらう必要があります。頼める人がいない場合は、自分で自分をチェックしてください。
<3級練習メニューチェックリスト>
(平均練習時間:100時間、1ヶ月~2ヶ月)
□『OxfordBookworms Library Stage5 (1800 head words)』の『Senseand Sensibility: CD Pack』を含む5冊を選ぶ
□Audio CD付き『Sense and Sensibility』のListeningとReadingをこれまでと同じ要領で行う
□音読の回数を減らし、代わりに英借文練習ノートに、気に入った文章・使いたい表現をどんどん書き入れて、その文章が自然に出てくるまで反復練習を行う。50枚綴じ(100頁)の練習ノートを月2冊、練習した英文で埋める
□伊藤サムの『ネイティブに通じる英語の書き方』でEnglishwritingを毎日30分練習する
□『アメリカの中学教科書で英語を学ぶ』を毎日20~30分読む
□『Grammar in Use with Answer』で、以下の構文を該当するUnitで練習する
□Future continuous:Unit 24
□Future perfect:Unit 24
□Passive (modals, continuous forms) :Units 42- 44
□Would have conditional clauses:Unit 36
□Modals + perfect infinitive:Units 43-B,54-B, 58-C
□So/such…that result clauses:Unit 102
□英検準2級Can-doリストの読む、聞く、話す、書くのチェックリストで実力をチェックする
□英検準2級を実際に受験するか、インターネットで試験問題をダウンロードして挑戦し、自己採点する
□1週間の内3日間は音読(Stage4のテキスト)を30分以上実行する