14段階の「英語学習法」5級編 初心者でも絶対に上達するおすすめの勉強法!
英語を母国語のように使いこなせるまでの道のりで一番基本となることが「基礎を
怠らない」ということです。初心者も疑似初心者(かつて何年も学校で勉強してきた
が、ほとんど使い物にならず、やり直したいという人)も最大の急務は、日本脳とは
別に英語脳(英語を英語で理解する脳)を創りあげることです。英語脳という入れ物
さえ創れば、日本語脳の中に入っている知識を英語脳の方に移動させるだけで、これ
まで使い物にならなかった英語の知識を、初めて生きた英語として用いることができ
るようになります。そのためにまずは、「知っていること」を確実に「使えることへ」
が目標です。
5級は、英検でいうと3級、TOIECでいえば410点を取れるレベルです。この段階
をマスターすれば日本人の英語学習者の上位10%に入ります。そのためには中学英語の基礎単語や構文を「知っている」だけでなく、使いこなせる「運用性」が必要になります。
<使用するテキスト>
➊ 改訂合本 ネイティブの感覚で前置詞が使える
ベレ出版 ロス典子(著)本体価格2,400円
❷ Basic Grammar in Use Student's Bookwith Answers and CD-ROM
Cambridge UniversityPress
RaymondMurphy (著) William R.Smalzer (寄稿)
参考価格2,720円
❸ OxfordBookworms Library Stage 3 (1000 head words)……5冊
Oxford University Press 参考価格CD Pack 1,100円前後 CDなし800円前後
Erich SegalのLove Story: CD Packを含む5冊
1.成長記録ノートを作成し、50回音読を実践すること
5級では6級に引き続いて、OxfordBookworms Stage 3のリーディング, 構文、前置詞の用法に慣れること、そして50回音読の実践を行います。
6級から4級までの中級段階での練習方法は基本的に同じで、違いはリーディングのレベルが上がっていくだけです。もちろんそれに伴って新しく導入される英語構文も少しずつ複雑になります。単語やフレーズさえ調べれば50回音読で自然と感覚的に慣れ、考えなくても英語のままで理解できるようになります。
練習の要領は6級と同じです。リーディングはErick Segalの『Love Story』をまずCDで聴き、次に各章毎に読み進めます。各章のリーディングにかかった時間を計りながら、最初は辞書を使わずに読んでください。理解度と時間を成長記録に記録し、次にわからない単語、熟語、構文に下線を引いておきます。リーディング、リスニングの成長記録ノートを作成し、本文の中で出てきた、覚えてしまいたい例文のリストもノートに作成しましょう。
リーディングを進めながら、同時進行的に構文練習をBasic Grammar in Useを使って進めましょう。内容は以下の7構文です。
Should/may (might) Unit 30, Unit 33
present perfect continuous(現在完了進行形) Unit 17-B、Unit 16-21を復習
used to Unit 15
past perfect(過去完了形) Unit 51
causative(使役) Unit54-D
relative clauses(関係詞節) Unit 102,Unit 103
indirect statement (Reportedspeech―間接話法) Unit 51
『Love Story』を読み終えて、同盟のタイトルの映画を見たい人はTSUTAYAなどのレンタルショップでDVDを借りて、最初は字幕なしで挑戦してください。ストーリーの冒頭のセリフは本と同じなので、きっとよく聞き取れると思います。途中からはかなり早いテンポの会話が多くなりますが、ストーリーをよく読みこんでいれば、今までの洋画よりもはるかに多く聞き取れる場面が出てくると思います。字幕なしでも聞いた瞬間に英語のままで(日本語に頼らずに)かなり内容が分かるようになっているのを発見して、これまでの学習法が間違っていなかったことを再確認できるでしょう。
<6級から4級までのリーディング教材の使い方まとめ>
① 裏表紙の説明と1ページ目のストーリー紹介を読み、予備知識を手に入れる
② テキストを見ずに、予備知識を持ってCDを全編聞く
③ リスニングの理解度をノートに記入する
④ 1つのChapterを、辞書を使わずに時間を計って読む
⑤ 1つのChapterのリーディングの理解度とかかった時間をノートに記入する
⑥ 本文の分からない単語、熟語、構文に下線を引く
⑦ 分からないものが1ページ平均何個あるかチェックする
⑧ 6個以上ある場合は前の級に戻ってやり直す。
それ以下なら分からない単語を含む英文を全部抜き出して、辞書で調べて意味を理解する
⑨ 5回リーディングを繰り返し、その都度ノートに理解度と時間を記入する
⑩ そのChapterのリスニングを行い、結果を記入する
⑪ その次のChapterに進み、最後まで上記を繰り返す
⑫ 最後に全体のリスニングを行い、80%以上理解できるまで、リーディングとリスニングを続ける
⑬ 1日30×30~50回音読する ※Activitiesの読前と読間と読後に目を通して、必ず行うこと
2.『ネイティブの感覚で前置詞が使える』で、前置詞を感覚的に理解すること
冠詞(a, an, the)に並んで日本人学習者を悩ませるものに前置詞の用法があります。特に場所や日時の問題でin, on, atのどれを使うのが正しいのか、迷いだすと訳が分からなくなります。ちょうど外国人が日本語を学ぶときに「て、に、を、は」などの格助詞に悩まされるのと似ています。あるいは、「私は」と「私が」をどおように使い分けるのかなども、日本人は既に感覚で分かっていることですが、分からない外国人生徒に言葉で説明するとなると大変です。この悩ましい前置詞を視覚的及びフィーリング的に理解し、使いこなすための有力な道具が『ネイティブの感覚で前置詞が使える』です。前置詞を正しく使いこなせるようになると、脳構造がかなり英語をベースとした脳に成長した証拠です。ページ数は多いですが、イラストが大半で、文章はごくわずかなので、全体を1ヶ月に一度のペースで、3ヶ月程繰り返し練習して、2~3か月空けて2度も3度も読んで反復練習をしてください。
今回は前置詞の用法の練習の中でも、時間に関するものを集中してやってみましょう。『ネイティブの感覚で前置詞が使える』のp.654 – 681を一度通読してください。p.663までat, on, inをどう使い分けるか、感覚的に少し理解できるようになっています。p.664に載っている「at the time, in time, on time」の使い分けは分かるようになりましょう。絵を見ながら例文を読むとイメージがよくつかめます。「from ~ to~」、「since ~」、「from ~」、「for ~」、「during~」、「throughout ~」、「before ~」、「after ~」、「by ~」、「until/ till~」などの時間に関する前置詞をこの機会に絵と例文で十分理解し、反復練習をして正しく使えるようになりましょう。
例として、「今月中にやらなければならないこと」は、
by the end of this month
と言わなければならないのに、よく
till the end of this month
と間違う人が多くいます。
byもtillも日本語に訳してしまうとどちらも「まで」ですが、byは「期限」を示し、tillは「継続の期間」を示します。そのため、till the end of thismonthは「今月末までずっと」という意味になるのです。説明のために訳してしまいましたが、絵と例文でその違いをしっかりと理解して、正しく使えるようになりましょう。
3.英検3級の試験に挑戦すること
最後に、英検3級の試験に挑戦してください。英検の試験問題は財団法人日本英語検定協会のホームページ(http://www.eiken.or.jp/)で、問題と解答がダウンロードできるようになっています。このホームページに、Can-do リストがあり、そこで3級合格者に求められる「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能のレベルが示されているので、チェックリストとして使ってください。
【3級 Can-do リスト】
読む:簡単な物語や身近なことに関する文章を理解することができる。
□ 興味・関心のある話題に関する簡単な文章を理解することができる。
□ 日常生活の身近な話題についての文章を理解することができる。(スポーツ、音楽など)
□ 短くて簡単な物語を理解することができる。(簡単な伝記や童話など)
□ 日本語の注や説明がついた簡単な読み物を理解することができる。(学校の課題図書、学習者向けの物語など)
□ 簡単に書かれた英語の地図を見て、通りや店、病院などを探すことができる。
聞く: ゆっくり話されれば、身近なことに関する話や指示を理解することができる。
□ ゆっくり(または繰り返して)話されれば、興味□関心のある話題に関する話を理解することができる。(趣味に関すること、好きな音楽やスポーツのことなど)
□ ゆっくり(または繰り返して)話されれば、日常生活の身近な話題に関する簡単な話を聞いて、 その内容を理解することができる。(学校、クラブ活動、週末の話など)
□ ゆっくり(または繰り返して)話されれば、簡単なアナウンスを聞いて、理解することができる。 (集合場所、乗り物の出発や到着時刻など)
□ ゆっくり(または繰り返して)話されれば、簡単な道案内を聞いて、理解することができる。 (例:Go straight and turn left at the next corner.)
□ よく使われる表現であれば、単語がつながって発音されても、その意味を理解することができる。 (Come in. が「カミン」、Dont you?が「ドンチュー」のように聞こえるなど)
話す: 身近なことについて簡単なやりとりをしたり、自分のことについて述べること ができる。
□ 自分の好きなことについて、短い話をすることができる。(趣味、クラブ活動など)
□ 物ごとの「好き」「嫌い」とその理由を簡単に述べることができる。 (動物、食べ物、スポーツなど)
□ 日常生活の行動について言うことができる。 (例:I got upat seven. / I ate some bread for breakfast.)
□ 自分の予定を簡単に言うことができる。(例:I'm going tomeet my friends.)
□ 簡単な頼みごとをすることができる。(例:Can you openthe window, please?)
□ 身近なことで相手を誘うことができる。(例:Let's go to amovie tonight.)
□ 簡単な相づちを打つことができる。(例:I see. /Really?)
書く: 自分のことについて簡単な文章を書くことができる。
□ 簡単な自己紹介の文章を書くことができる。(名前、住んでいるところ、家族など)
□ 自分の趣味について、書くことができる。
□ 物ごとの「好き」「嫌い」とその理由を書くことができる。(食べ物、スポーツ、音楽など)
□ 短い日記を書くことができる。(1文から3文程度)
□ 簡単なカードやはがきを書くことができる。(誕生日カード、旅行先からの絵はがきなど)
□ 短い伝言を書くことができる。(例:Ken called at 3p.m.)
十分反復練習をしてきて自身のある項目には□の中にㇾ点または〇で印を付けて、チェックリストとして使って下さい。
合格点を取ったら14段階方式の7段階目、折り返し点にあたる4級の訓練に入ります。
4.毎日必ず「チェックリスト」でチェックすること
確実に英語を母国語のように使いこなせるレベルまで自分1人で努力するためには継続するための工夫が必要です。確実に練習メニューをこなすためには、この学習法を良く理解している「アイザック外国語スクール」のようなところで指導を受けるのが理想的ですが、それができない場合は親や兄弟に「チェックリスト」で、練習を怠けていないかどおうかチェックしてもらう必要があります。頼める人がいない場合は、自分で自分をチェックしてください。
<5級練習メニューチェックリスト>
(平均練習時間:75時間、1.2ヶ月~2.5ヶ月)
□『OxfordBookworms Library Stage 3 1000 head words)』で、ErichSegalの『Love Story: CD Pack』を含む5冊を選ぶ
□Audio CD付き『Love Story』のListeningとReadingを行う
□成長記録ノートを活用する
□Reading booksから覚えてしまいたい例文を書き出す
□例文練習用ノート(50枚綴じ100頁)に、使いたい文章を5回以上反復して書いて、1ヶ月で全ページを使い切る
□『ネイティブの感覚で前置詞が使える』pp.654 – 681を通読する
□『Basic Grammar in Use, ThirdEdition』で次の構文の練習を該当ユニットで行う
□Should/may (might): Unit 30,Unit 33
□presentperfect continuous: Unit 17-B、Unit 16-21を復習
□used to: Unit 15
□past perfect: Unit 51
□causative: Unit 54-D
□relative clauses: Unit 102, Unit 103
□indirect statement (Reported speech): Unit 51
□英検3級Can-doリストの読む、聞く、話す、書くのチェックリストで自分の力をチェックする
□英検3級の試験問題を実際に受験するか、インターネットで試験問題をダウンロー
ドして挑戦し、自己採点する
□毎日、Stage2のリーディングテキストを30分以上音読する