14段階の「英語学習法」7級編 初心者に絶対おすすめ!Google元社長大推薦の著者が語る!
英語を母国語のように使いこなせるまでの道のりで一番基本となることが「基礎を
怠らない」ということです。初心者も疑似初心者(かつて何年も学校で勉強してきた
が、ほとんど使い物にならず、やり直したいという人)も最大の急務は、日本脳とは
別に英語脳(英語を英語で理解する脳)を創りあげることです。英語脳という入れ物
さえ創れば、日本語脳の中に入っている知識を英語脳の方に移動させるだけで、これ
まで使い物にならなかった英語の知識を、初めて生きた英語として用いることができ
るようになります。そのためにまずは、「知っていること」を確実に「使えることへ」
が目標です。
7級では、初級編の仕上げに差しかかるため、頭の中の英語回路の基礎を仕上げてい
きます。英語の音声的特徴、基本単語や表現を身につけ、英語のまま理解する習慣で、基本構文に慣れていきましょう。
<使用するテキスト>
➊ 英語で歌おう! ポップスの名曲からマザーグースまで
アルク 柏木厚子(監修・執筆)本体価格1,580円
❷ Picture Dictionary
Usborne Publishing Ltd Felicity Brooks(著)参考価格1,421円
❸ OxfordBookworms Library Stage 1 (400 head words)……3冊
Oxford University Press 参考価格CD Pack 1,100円前後 CDなし800円前後
Stage1の例えば、Titanic, Sister Love and Other Crime Stories、Sherlock Holmes and the Duke’s Son: CD Pack の三冊を選びます。
1.英語的発音と、英語を英語で説明することを習慣化すること
英語で考える(Think in English)ことができる脳の基礎づくりの仕上げの段階に入りました。『英語で歌おう!』にある20曲を楽しみながら全部覚えてしまい、英語の音声的特徴をしっかり身に付けてしまいましょう。早口言葉にも挑戦すると、口の筋肉が英語を話すのにふさわしい構造に変わってくることを感じることができるはずです。『英語で歌おう!』には日本人が間違えやすい発音上の問題や、英語らしさに不可欠な連結、同化、脱落といった音声的特徴がやさしく説明されています。6級に進級した後も半年、一年ぐらい完全に英語的発音が習慣化するまで歌の練習を続けてください。
『ピクチャ・ディクショナリ』で、英語を英語で説明することに慣れてくれば、今度はaから始まる単語から始めて、zで始まる単語まで、単語の下の説明を隠し、自分でその意味を英語で説明してみましょう。瞬間的に思い浮かばなければすぐに説明を見ても構いません。説明を読んだらもう一度隠して、自分で言ってみてください。大事なことは、「考えないこと」です。考えなくても英語での説明がスラスラ出てくるまで何度でも練習してください。最初の日はaから始まる単語、次の日はbから始まる単語というように、進んでいきますが、「b, c, d, f, l, p, s」から始まる単語は数が多いので、2日に分けても構いません。逆に「q, r, u, v, x, y, z」から始まる単語は数が少ないので、こちらは全体で2日ぐらいにして、aからzまでを1ヶ月周期で練習してください。こちらも、中級、上級に進級した後も継続して、英語を英語で考え、英語で説明することを習慣化してください。
2.リスニングとリーディングの成長記録ノートを作成すること
『Sherlock Holmes and theDuke’s Son』を手に取ったら、先ず裏表紙を読み、次に本を開いて1ページ目のintroductionを読んでください。このストーリーはある誘拐事件に関することである、という予備知識を持って、Audio CDを一度初めから終わりまで聞いてください(約60分かかるので、途中で1~2回休憩しても結構です)。
第1回目のCDを聴いてストーリーをどの程度理解できたか、ここでその英語理解力の成長を記録するためにノートを1冊準備してください。まず、ノートの最初のページを開いたら上段に『Starter Level : Sherlock Holmes and the Duke’s Son』と書いて、下段に自分が理解できたと思う程度を、
第1回リスニング:理解度=80%(あるいは、50%、30%、15%、5%、0%)
というように、リスニングの理解度のパーセンテージを記録しておいてください。
次に(同じ日でも良いし、疲れていたら次の日にしても構いません)、本文の第1章: Sherlock Holmes has a visitor (page 1-4)を、辞書を使わずに読んでみてください。終わったらリスニングと同じように、
第1回リーディング:理解度=〇%
と、リーディングの理解度をパーセンテージで表して下さい。
次に、鉛筆を持って、本文の意味の分からない単語、熟語、構文に下線を引いてください。1ページ平均で理解できない単語が何個あるか数えてみましょう。
1)10個以上、2)5~10個、3)0~4個
分からない単語を含む英文を全部抜き出して、辞書で調べて意味を理解してから日本語を忘れて英語のまま理解できるまで練習してください。ピクチャ・ディクショナリも一日15分ぐらい、毎日読み続けてください。分からない単語については調べて、リーディングの中で覚えていく癖をつけましょう。
自分で大体80%以上理解できると判断したらChapter 2に進み、同様に反復練習して第7章まで終えてください。期間は早い人で2日、遅くとも毎日やれば2週間でこの本を日本語に頼らずに英語のまま80%以上理解できるようになっているでしょう。
本の最後の方に、「Activities: Before Reading, While Reading, After Reading」というように、読む前に行うことと、読んでいる途中で行うこと、読んだ後に行うことが指示されているので、その指示に従って読み進めてください。(ブックウォームスの全ての本にActivitiesの指示がついています)
<成長記録ノートの書き方(各自で使いやすいように工夫してください)>
Stage 1: Sherlock Holmes and the Duke’s Son Sir Arthur Conan Doyle |
第1回Listening (全体): 5/10/11 5:30 PM 理解度:35% |
第2回Listening (Chapter 1) : 5/12/11 10:00 AM 理解度:90% |
第3回Listening (Chapter 1): |
第4回Listening (Chapter 2): |
Chapter 1: Sherlock Holmes has a visitor |
第1回Reading: 5/11/11 7:00 PM 理解度:40 % 時間: 分 秒 |
第2回Reading: 5/11/11 8:00 PM理解度:70 % 時間: 分 秒 |
第3回Reading: 5/12/11 9:00 AM 理解度:80 % 時間: 分 秒 |
第4回Reading: 5/12/11 9:30 AM 理解度:90 % 時間: 分 秒 |
第5回Reading: 5/12/11 10:00 AM 理解度:100 % 時間: 分 秒 |
Chapter 2: Dr. Huxtable’s story |
第1回Reading: 5/13/11 理解度:__ % 時間: 分 秒 |
第2回Reading: 5/13/11 理解度:__ % 時間: 分 秒 |
CDは各章毎に分けて聴いても、全体を一度に通して聴いても、自分の体力と気力に応じて決めてください。聴くときに、初めはテキストを見ないで聴き、次にテキストを見ながら聴き、その次は聴きながら自分の口の中で同じように声に出して(シャドーイング)読んでみてください。この3つの聴き方を反復しながら、最後は暗唱できるぐらい10回以上聴いてください。音読をするのはインプットの効果を高めるためです。自分の脳の長期記憶装置に刻み込んでいつでも取り出して使えるようにするためには、最低30回以上、50回が一番適しているといわれています。
はじめはCDをなかなか聴きとれないかもしれません。それは、まだ「理解する速さ」が「読まれる速さ」についていけていない証拠です。リスニングができるようになるには、音を認識できることと、英文を理解する速さが必要です。リスニングは読み返すことはできませんし、速さを自分で調整することもできません。一度聴いただけで理解しなければならないのです。英文自体が読めなければ、なおさら難しいでしょう。言い換えればある程度の速さで確実に読めない英文は、聴きとることができないとも言えます。理解する速さはリーディングで英文法や構文、語彙などを理解・学んでいくことで、身につけていくことができます。つまり、リスニングにはしっかりとしたリーディング力という支柱が必要だということです。
CD Pack以外のリーディングテキストは音読しないで黙読します。最初は辞書なしで、日本語を読むのとあまり変わらない速さで理解できてきもできなくても、そのまま初めから終わりまで読んでみてください(休憩は自由です)。こちらも同じくreadingの理解度をパーセンテージで記入しておいてください。
次に各章ごとに知らない単語、熟語、構文を調べて、理解できた後は日本語での意味は忘れてください。黙読・速読の速さは、同等の分を日本語で読んだ場合の2倍以下を目指してください。つまり、日本語で同じ内容の読みものなら10分で読めるとした場合、英文テキストを20分以内に読めるよう練習してください。
3.毎日、音読を30分以上すること
音読する第一の目的はリーディングやスピーキング能力の向上のためではなく、英語脳を創造するためです。しか「音読」は全くお金がかかりません。しかし、その分時間と熱意を投入しないときちんと機能する英語脳には仕上がりません。
音読を始めて間もないころは読みながら、「これは日本でどういう意味だろう」と日本語依存への不協和音が紛れ込んできますが、ひたすら音読を行うとそのような雑音が消え、英語のままで理解する脳が誕生し、少しずつ育ち始めます。
★音読にかける時間
初級から中級まで(10級から4級)は全体の練習時間の半分を音読にあててください。「英語で歌おう!」の練習時間も音読の時間として数えます。上級に入って、英語脳が出来上がってからは音読の回数や時間を徐々に減らし、代わりに速読訓練の比重を上げていきます。個人差はありますが、熱心にやれば大体300時間から500時間程度で、英語のままで理解し、英語で思考できる「英語脳」の機能ができあがります。
★音読する教材
教材は内容が既に90%以上理解できているものが理想的です。それなので、1つ前の級のテキストを使って音読してください。10級から8級までは主に「英語で歌おう!」の中の好きな10曲ぐらい、歌詞を全部覚えて繰り返し歌ってください。7級の人は8級のリーディングテキストのStarterlevelを音読教材に使ってください。
★音読の方法
1日30分音読する場合、5分程度で読める内容を一単位として、これを5~6回繰り返す方法と、30分一気に続けて読む方法があります。
【5分×6回を読む場合】
同じ内容を1週間から10日続けて、全体で30回以上、50~60回音読し、次の内容に移ります。
【30分×1回を読む場合】
1ヶ月から2ヶ月間同じ内容を繰り返し(30~60回音読)、次の内容に移ります。
実際に2つの方法で試してみて、自分に合った法を選んでください。できれば自分の音声を録音して、定期的に(1週間に1度程度)CDの朗読との比較を行うと練習の効果を測定することができます。
4.英検5級の試験問題を解いて、自己採点すること
Starter Level とStage 1でカバーしている英語構文(syntax) は次の7つです。
Presentsimple 単純現在形
Presentcontinuous 現在進行形
Imperative 命令形
Can/cannot,must can, cannot, must
Goingto (future) 未来形
Simplegerunds 単純動名詞
Pastsimple 単純過去形
日本語にすると、単純現在形、現在進行形、命令形、can/cannot, must, 未来形単純動名詞、単純過去形ですが、意味を理解した後は日本語の方は忘れて、英語だけで英語の文章の構造(構文)を理解するようにしてください。
構文については中級に入ってから本格的に学ぶことにして、初級段階では文の構造が単純なので、単語の意味さえ分かればそれぞれの文章の意味もほぼ分かるはずです。複雑に考えずにそのまま丸のみで自分の記憶装置にインプットしてください。
<7級のリーディング教材の使い方まとめ>
① 裏表紙の説明と1ページ目のスート―リー紹介を読み、予備知識を手に入れる
② テキストを見ずに、予備知識を持ってCDを全編聴く
③ リスニングの理解度をノートに記入する
④ Chapter1を辞書を使わずに読む
⑤ Chapter1のリーディングの理解度をノートに記入する
⑥ 本文の分からない単語、熟語、構文に下線を引く
⑦ 分からない単語が1ページ平均何個あるかチェックする
⑧ 分からない単語を含む英文を全部抜き出して、辞書で調べて意味を理解する
⑨ もう一度訳さず読んでみて、理解度80%以上で次の章へ
⑩ 最後まで①~⑨を繰り返す
⑪ 1日30×30~50回音読する ※Activitiesの読前と読間と読後に目を通して、必ず行うこと
↓
(1) テキストを見ずにCDを聴く
(2) テキスト見ながらCDを聴く
(3) CDを聴きながら、聴こえたように声に出して音読する
(4) (1)~(3)を10回以上繰り返す(暗唱できるくらい行う)※章ごとでまとめて全体でもどちらでも良い
『Oxford Bookworms Library Stage 1 (400 head words)』の3冊を上記のガイドラインに沿って読み終えると、英検5級のレベルは問題なく合格できるようになっています。英検の試験問題は財団法人日本英語検定協会のホームページ(http://www.eiken.or.jp/)で、問題と解答がダウンロードできるようになっています。このホームページに、Can-do リストがあり、そこで5級合格者に求められる「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能のレベルが示されているので、チェックリストとして使ってください。
【5級 Can-do リスト】
読む:アルファベットや符号が分かり、初歩的な語句や文を理解することができる
□ アルファベット(A~Z)を読むことができる。
□ アルファベットの大文字・小文字がわかる。(Aとa / Fとfなど)
□ ピリオド(.)、疑問符(?)、コンマ(,)、引用符("")、感嘆符(!)を理解することが できる。
□ 日常生活の身近な単語を理解することができる。(例:dog / eat / happy)
□ 日常生活の身近なことを表す簡単な文を理解することができる。(例:I play tennis every day.)
聞く:初歩的な語句や定型表現を理解することができる。
□ アルファベット(A~Z)を聞いて、どの文字かを理解することができる。(人の名前のつづりなど)
□ 日常生活の身近な単語を聞いて、その意味を理解することができる。(例:dog / eat / happy)
□ 日付や曜日を聞き取ることができる。
□ 日常生活の身近な数字を聞き取ることができる。(電話番号、時間、年齢など)
話す:初歩的な語句や定型表現を使うことができる
□ アルファベット(A~Z)を発音することができる。
□ 日常生活の身近な単語を発音することができる。(例:dog / eat / happy)
□ 日常生活の身近な数字を言うことができる。(電話番号、時間など)
□ 簡単なあいさつをかわすことができる。(例:Good morning. / Good night.)
□ あやまったり、お礼を言ったりすることができる。(例:I'm sorry. / Thank you.)
□ 日常生活の身近な話題について、 Yes / Noで答える質問に応答することができる。(「好き」「嫌い」など)
書く:アルファベット・符号や初歩的な単語を書くことができる
□ アルファベットを活字体(教科書や本などの字体)で書くことができる。(例:ABC・・・XYZ)
□ アルファベットの大文字・小文字や符号を適切に使うことができる。(例:A/a,?,! など)
□ 自分の名前を書くことができる。
□ 日常生活の身近な単語を書くことができる。(例: dog / eat / happy)
□ 数字を英語で書くことができる。(例: five / eleven)
この4技能の内容とこれまで10級から7級までの練習・訓練を通じて身に着けた内容を比べると、英検5級の合格基準は十分すぎるほど満たしていることに気が付いていただけると思います。
このホームページからは過去3回分の実際の試験問題と解答をダウンロードできるので、適当に1回分を選んで実際にやってみてください。合格点をとってもそれだけで満足せずに、5級のCan-doリストで理解があやふやなところがないかをチェックし、弱点を見つけたら意識してその部分の練習を十分行ってください。
5.毎日必ず「チェックリスト」でチェックすること
確実に英語を母国語のように使いこなせるレベルまで自分1人で努力するためには継続するための工夫が必要です。確実に練習メニューをこなすためには、この学習法を良く理解している「アイザック外国語スクール」のようなところで指導を受けるのが理想的ですが、それができない場合は親や兄弟に「チェックリスト」で、練習を怠けていないかどおうかチェックしてもらう必要があります。頼める人がいない場合は、自分で自分をチェックしてください。
<7級練習メニューチェックリスト>
(平均練習時間:40時間、20日~1.5ヶ月)
□『英語で歌おう! ポップスの名曲からマザーグースまで』で、英語の音声的特徴を、歌を通じて身につける
□『Picture Dictionary』を毎日3ページ以上読む(日本語を介さずにイメージで理解する)
□『OxfordBookworms Library Stage 1 (400 head words)』の、例えば、『Titanic』,
『Sister Love andOther Crime Stories』、『Sherlock Holmes and the Duke’sSon: CD Pack』の三冊を選ぶ
□ Audio CD付きの『Sherlock Holmes and the Duke’s Son』を手に入れる
□成長記録ノートの書き方を見本にして、自分なりの記録ノートを作成する
□ガイドラインに沿ってリスニングとリーディングを行う
□英検5級の試験問題をインターネットでダウンロードして受けてみる(自己採点)
□毎日、Starter levelのリーディングテキストを30分以上音読する