14段階の「英語学習法」9級編 初心者に絶対おすすめ!Google元社長大推薦の著者が語る!
英語を母国語のように使いこなせるまでの道のりで一番基本となることが「基礎を
怠らない」ということです。初心者も疑似初心者(かつて何年も学校で勉強してきた
が、ほとんど使い物にならず、やり直したいという人)も最大の急務は、日本脳とは
別に英語脳(英語を英語で理解する脳)を創りあげることです。英語脳という入れ物
さえ創れば、日本語脳の中に入っている知識を英語脳の方に移動させるだけで、これ
まで使い物にならなかった英語の知識を、初めて生きた英語として用いることができ
るようになります。そのためにまずは、「知っていること」を確実に「使えることへ」
が目標です。
9級では、英語を訳さないで丸ごと覚えることを目標に、英語を英語のまま覚える学
習法で英単語を身につけていきます。その際
に発音はとても重要な課題です。早い段階で発音やリズムを習得することで、その後
の学習が楽になります。
<使用するテキスト>
➊ 超低速メソッド 英語発音トレーニング
国際語学社 内海克泰(著) 本体価格1,200円
❷ 英語で歌おう! ポップスの名曲からマザーグースまで
アルク 柏木厚子(監修・執筆)本体価格1,580円
❸ Picture Dictionary
Usborne Publishing Ltd Felicity Brooks(著)参考価格1,421円
❹ すらすら書ける筆記体ワークブック
国際語学社編集部 本体価格1,000円
1. 発音記号の読み方に慣れ、悪いクセを直すこと
『超低速メソッド英語発音トレーニング』は、発音記号の読み方、日本人の苦手な
発音の練習に独自のメソッドが工夫されています。この本で毎日トレーニングすれ
ばかなりネイティブな発音ができるようになるでしょう。特に疑似初心者で悪い「クセ」がついている方はぜひこのトレーニングで「クセ」を矯正してください。正確な発音ができることは英語の音を認識する力がつき、リスニング力へとつながります。
発音記号を読めない人は、この本で必ず読めるようになってください。発音記号が
読めないということは、外国人が振り仮名なしの漢字を読もうとするのと同じくらい
無謀なことです。発音記号が読めない人はほぼ例外なくカタカナの発音を頼りに読ん
でいます。ここでは、発音記号がどのような音かがイメージでき、口の動きがわかる
レベルになることが目標です。
その点この本が良いのは、前から見た口の形と横から見た舌の位置、口の開き具合まで分かりやすく図解されていることです。また、良い発音ができるまでの練習が、易しいことから段階的に難しい発音まで、無理なくできます。普通の速度で聞くと違いが分からない音も、スローの音声により英語発音の細部が手に取るように分かる工夫がされています。この発音トレーニングで発音コンプレックスから脱して、英語を音に出して言うのが楽しいと感じてください。
個々の単語の発音が割とよくできる人でも、長い英文を読むと単語ごとに読んで、全体の流れが流暢ではない読み方をする人が大半です。英文では強く発音するところと弱く発音するところ、早く言わなければならないところとゆっくり言うところがあり、それが英語らしいリズム感を作っています。
発音に限らず何事にも上達をするためのコツがあります。まずはしばらく自分なりに
のびのびとやってみることです。次に上手い人と自分の基準を比べてみて、その差に気づくことです。そしてどうすればあのように上手く発音できるのだろう、とその違いの原因を観察したり、研究したりしてみることです。自分なりにやるのはいいですが、3ヶ月以上悪いクセのまま続けてしまうと後でそのクセを直すのに苦労するので、1ヶ月ごとに見直して矯正する必要があります。その時はやはり良い先生を見つけないと、自分だけではその矯正が難しいのです。
2.歌を通じて、英語の音声的特徴を身につけること
『英語で歌おう! ポップスの名曲からマザーグースまで』は、日本語にない発音について詳しく説明されています。強弱、緩急のメリハリをつけるコツを掴んでくださ
い。発音のリズム感(文中での強弱、緩急)を体で覚える最上の方法が歌を歌うこと
です。ただし、どれでもいいというわけではなく、初心者にとってふさわしい歌を選
ぶ必要があります。この本で紹介されている歌は、疑似初心者の発音上達には絶対お
すすめです。
1曲目、スティービー・ワンダーのラブソング、「I JustCall to Say I Love You(心の愛)」から始まり、メジャーリーグの試合でおなじみの「TakeMe Out to the Ball Game(私を野球に連れてって)」、マザーグースの定番といって良い「SimpleSimon(間抜けなサイモン)」や、映画の主題歌「My Darling Clementine(荒野の決闘の主題歌)」、などが収録されています。ぜひ楽しみながら歌って「発音コンプレックス」から「発音自慢」に変身してください。
歌の場合、音読・朗読と違って自分なりの速度で読むことができず、歌の速さに合わせなければいけないのがトレーニング法として第一に優れた利点です。
第二に、長く強く発音するとこと、弱く短く発音するところが混在している英語の音声的な特徴を自然に体で感じることができるようになる点です。
ネイティブスピーカーが無意識で行っている音変化を「連結」、「同化」、「脱落」という現象として分かりやすく説明してくれています。その他、日本人が苦手な「r」と「l」、「f」と「v」の区別、「θ」と「ð」、日本語の倍以上ある母音、二重母音などについても懇切な説明があります。また、早口言葉への挑戦もあるので、だんだんと英語を話すための口形や筋肉が発達していきます。
3.日本語を介さずイメージで理解して、英単語を覚えること
『Picture Dictionary』は、英語を英語で理解する、脳内に英語回路を創るための優
れものです。日本語に頼らずに英語を身につけることの感覚を養ってください。
辞書を読む習慣をつけることは語学上達に欠かせません。この『ピクチャディクシ
ョナリ』は見出し語が1000語程度で、厚さも100ページ程です。1ヶ月に一度のペ
ースで初めから終わりまで、毎日3ページか4ページ声に出して全部読んでください。
また、この図解辞書に載っている言葉だけでなく、毎日意識して目に留まるものは何で
も英語で口に出してみて下さい。例えば、book, watch, calendar, monitor, televisionな
ど、何でも目に入るものの名前を英語で言ってみましょう。その時、簡単な名詞の意味
を、例えば「Cat=猫」、「Dogs=犬たち」と連想しないで、
Cat=猫そのもののイメージ
Dogs=複数の犬のイメージ
このように、日本語ではなく単語そのものを思い浮かべてください。
『ピクチャディクショナリ』だけではどうしても理解できないときには、英日辞典
で調べても構いません。ただし、いったん理解した後は日本語での定義は忘れて、英
語を英語のまま理解してください。そういわれてもと不安に感じるかもしれません
が、やってみると案外簡単なことなので、安心してください。絵を見ながら何度も繰
り返し読んでいくうちに、自然と内容が日本語を通さないで英語のまま頭に入ってい
きます。要は、そうなるまで繰り返し練習をするということです。
4.英語圏生活では必須の筆記体を書けるようになること
『すらすら書ける筆記体ワークブック』は、英語圏の生活に不可欠な筆記体の練習には
ぜひ使ってほしい一冊です。早く美しく書けるようになるともっと書きたくなります。
手紙、日記、手帳の書き方も入っているので、とても便利です。
実際の英語を母国語とする人たちの出会いの場、コミュニケーションの場でお互いの情
報を書いて交換する場合の文字は全部筆記体で書かれていると思ってください。友達になって、住所やメールアドレスを交換したり、ちょっとしたメモを残したりするときにも大体筆記体が使われます。また、アメリカ人が大好きなカード(誕生日はもちんのこと、何かにつけて贈り物をして、気の利いた文章が初めから印刷されているカードを添えます)にも、事前に印刷されている言葉の他に、気持ちのこもった短い文章を書き加えるのは基本的に筆記体です。それらを読み取るためにも、伝えるためにも筆記体の練習は必須です。
5.毎日必ず「チェックリスト」でチェックすること
確実に英語を母国語のように使いこなせるレベルまで自分1人で努力するためには継続するための工夫が必要です。確実に練習メニューをこなすためには、この学習法を良く理解している「アイザック外国語スクール」のようなところで指導を受けるのが理想的ですが、それができない場合は親や兄弟に「チェックリスト」で、練習を怠けていないかどおうかチェックしてもらう必要があります。頼める人がいない場合は、自分で自分をチェックしてください。
<9級練習メニューチェックリスト>
(平均練習時間:30時間、15日~1ヶ月)
□『英語で歌おう! ポップスの名曲からマザーグースまで』で、英語の音声的特徴を、歌を通じて身につける
□全ての歌を10回聴き、10回以上歌ってみる
□最低3曲の気に入った歌を覚えてしまい、半年間は1日の空いた時間に思い出して歌う
□『筆記体ワークブック』で、アルファベットの大文字、小文字を筆記体で書けるように練習する
□『超低速メソッド・英語発音トレーニング』で、発音記号の読み方に慣れると同時に、身につけてしまった悪いクセを直す
□『PictureDictionary』を毎日3ページ以上読む(日本語を介さずにイメージで理解する)