14段階の「英語学習法」初段編 日本人が英語圏で絶対に活躍できるおすすめの英語上達法!
英語を母国語のように使いこなせるまでの道のりで一番基本となることが「基礎を
怠らない」ということです。初心者も疑似初心者(かつて何年も学校で勉強してきた
が、ほとんど使い物にならず、やり直したいという人)も最大の急務は、日本脳とは
別に英語脳(英語を英語で理解する脳)を創りあげることです。英語脳という入れ物
さえ創れば、日本語脳の中に入っている知識を英語脳の方に移動させるだけで、これ
まで使い物にならなかった英語の知識を、初めて生きた英語として用いることができ
るようになります。そのためにまずは、「知っていること」を確実に「使えることへ」
が目標です。
これから昇段制に入っていきます。初段は、英検でいうと1級、TOIECでいえば900点を取れるレベルです。日常生活を主、日本語を従に切り替えて過ごしましょう。それと同時に英語圏の文化や考え方に触れ、高い教養のコミュニケーションの素地を作っておきましょう。
<使用するテキスト>
➊ Advanced Grammar in Use (WithAnswers and CD-ROM)
Cambridge UniversityPress Martin Hewings (著)
参考価格2,400円
❷ Federalist
Cambridge University Press Raymond Murphy (著)
参考価格3,290円
❸ English dictionary + Thesaurus
■シェイクスピアの4作品
The Merchant of Venice, Romeo andJuliet,
King Lear, Hamlet:Shakespeare
■Adventuresof Huckleberry Finn:MarkTwain
1.英語ベースの情報網に切り替えること
今あなたは、自分をアメリカ又はイギリスの高校2年生・3年生であるかのように想像してください。英語自体は自分の母国語なので、英語の学習は自国語としての言葉を学ぶようなものです。当然辞書も国語辞典のような感覚でEnglish Dictionaryを使います。その他にも語源辞典や百科事典、類語辞典なども、全て英語を母国語とする高校生や大学生が使うようなものを使うことになります。
辞書類は日本で買うと価格も高く、相性の問題もあるため、しばらくは図書館などでいくつかの辞書を使い比べて、気に入ったものを手に入れてください。あるいはインターネット上にある辞書を使うのも良い方法です。
日常生活で今まで日本語で行っていたものをできるだけ英語に切り替えてください。例えば新聞や雑誌も、Japan Times, The New York Times, Newsweek, Time(全部インターネットで読めます)などの中から選び、インターネットを起動したときのホームページがYAHOO! USAやgoogleの英語版・英語表記などになるよう設定してください。調べ物をする場合、まずフリー百科事典―ウィキペディアで調べることが多いと思いますが、同様にEnglish versionfree encyclopedia – Wikipediaを活用してください。
趣味や興味・関心のある分野についてはできるだけ英語で読むようにしてください。最低でも1日の中で英語を使って暮らしている時間を3時間以上取るようにしてください。これを1年続ければ、自分でも驚くほどの進歩がみられるでしょう。
2. シェイクスピア、マーク・トウェインの作品を読むこと
近代英語(ModernEnglish)はシェイクスピアによって作られたといってもいいほど、近代英語に対するシェイクスピアの影響は絶大なものがあります。全部は理解できなくても(60%程分かれば上出来です)稀有の天才が生み出した文章に直接触れることによって、英語という言語の本質を感覚的に感じることができると思います。
一方、アメリカを代表する作家といえば、真っ先にマーク・トウェインを上げることができるでしょう。『Adventures of Huckleberry Finn』は、その後のアメリカの文学に決定的な影響を与えた作品なので、ぜひその魅力を原文で味わってください。
シェイクスピアの作品は、
TheComplete Works of William Shakespeare
http:// shakespeare.mit.edu/
ここから無料でダウンロードできます。シェイクスピア作品はComedy, History, tragedy, Poetryの4つのカテゴリーに分類されています。興味応じてHistoryやPoetryもダウンロードしてチャレンジしてください。
ソネット(Sonnet)という14行からなるヨーロッパの定型詩があります。(漢詩の五言律詩や七言律詩での押韻法則をイメージしてください)ソネットはJane Austenの『Senes and Sensibility』でもソネット何番のように暗唱する場面が出てきますが、日本の百人一首や万葉集のようにイギリス国民に愛されてきました。しかし、日本の学生の古文読解力と同様、Sonnetsを消化するのは現代イギリスの大学生にとってもかなり難しくなっているようです。
イタリア風ソネット、イギリス風ソネット、スペンサー風ソネットなどに分類できますが、シェイクスピアが用いた形式を特にシェイクスピア風14行詩と呼ぶこともあります。次の例で分かるように、押韻形式はABAB CDCDEFEF GGとなるのが一般的です。(以下を参照すると、sun-dun, red-head,white-delight, cheeks-reeks, know-go, sound-groud, rare-compareが韻を踏んでいることが確認できます。
“My mistress' eyes are nothing like the sun”
My mistress'eyes are nothing like the sun;
Coral is farmore red than her lips' red;
If snow bewhite, why then her breasts are dun;
If hairs bewires, black wires grow on her head.
I have seenroses damasked, red and white,
But no suchroses see I in her cheeks;
And in someperfumes is there more delight
Than in thebreath that from my mistress reeks.
I love tohear her speak, yet well I know
That musichath a far more pleasing sound;
I grant Inever saw a goddess go;
My mistress,when she walks, treads on the ground.
And yet, by heaven, I think my love asrare
As any she belied with false compare.
3.Thesaurusを使って英文の質を上げること
Thesaurus(シソーラス)というのは類語辞典にあたる、言葉の宝庫的辞書です。表現が単調にならないように、そして自分の言いたいことにぴったり合った言葉を探していくうえで不可欠な辞書です。最初はインターネット上にあるThesaurusを使ったり、図書館にあるものを使ったりしながら、自分のニーズに合った適当なものを見つけてください。無難なものとしては、
◇Roget’sInternational Thesaurus
Collins Reference Barba Ann Kipfer(著)1,700円前後
◇Oxford LearnersThesaurus: A Dictionary of Synonyms
Oxford University Press Diana Lea(編集), Jennifer Bradbery (編集)他 3,000円前後
などがあります。Thesaurusは英語圏のライターにも不可欠な辞書ですが、その大きな理由は、英語の文章が同一文章内で同じ単語を繰り返すことを嫌う性質を持っていることです。2段になって使用する『英語論文・レポートの書き方』、上村妙子・大井恭子著の中でもThesaurusの使い方が説明されています。2段の内容を先取りしてその部分を見てみましょう。例として、
I met a kindwoman yesterday. She listened to my complains patiently. She was very kind tome. I was very much impressed by her kind suggestions. I would like to be sucha kind person when I grow up.
というように「kind」が短い文章の中に4度も繰り返されているのは英語の文章としてふさわしくないので、Thesaurusを駆使して言い換える手順が分かりやすく説明されています。結論として、以下のように書き換えると英文の質が上がることが示されています。
1) kindwoman → warm heated women
2) kind → compassionate
3) kindsuggestions → well-meant suggestions
4) kind → benevolent
描写が細かくなり、具体性がぐっと高まりました。
4.『The Federalist Papers』を読むこと
The Federalistはアメリカ合衆国憲法の批准を推進するために書かれた85編の論文です。憲法で提案されている政府の仕組みについての哲学や動機を明確で説得力の高い文章で綴られているために、現在でもアメリカ合衆国の憲法の解釈では一次資料となっています。そのため、アメリカ合衆国憲法と合わせてアメリカの高校生なら一度は必ず読むことになっています。この85論文を、1日1論文から3論文のペースで読み進めてください(英語中心の生活が可能な場合は、1日5論文から10論文読むと良いでしょう)。
The Federalist Papersの全論文は、
http://www.foundingfathers.info/federalistpapers/
で読むことができます。Federalistの英文を完全に理解するのは実はアメリカの高校生にとってもかなり難しく、初段の力があれば8割程度は理解できると思います。自分はアメリカの高校生だという意識でチャレンジしてください。
5.英検1級の試験に挑戦すること
初段の締めくくりに、英検1級の試験を受けて合格するか、TOEICで900点以上のスコアが取れることを確認して二段コースに進んでください。
英検の試験問題は財団法人日本英語検定協会のホームページ
(http://www.eiken.or.jp/)で、問題と解答がダウンロードできるようになっています。このホームページに、Can-do リストがあり、そこで準1級合格者に求められる「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能のレベルが示されているので、チェックリストとして使ってください。
読む: 社会性の高い幅広い分野の文章を理解することができる。
□ 雑誌の社会的、経済的、文化的な記事を理解することができる。(TIME / Newsweekなど)
□ 文学作品を理解することができる。(小説など)
□ 資料や年鑑などを読んで、必要な情報を得ることができる。(報告書、統計的な資料など)
□ 留学や海外滞在などの手続きに必要な書類を理解することができる。
聞く: 社会性の高い幅広い内容を理解することができる。
□ 幅広い話題に関するまとまりのある話を理解することができる。(一般教養的な講演や講義など)
□ 社会的な話題に関する話を理解することができる。(環境問題に関する講演など)
□ 会議に参加して、その内容を理解することができる。(イベントの打合せ、会社のミーティングなど)
□ テレビやラジオの政治□経済的なニュースを理解することができる。
□ いろいろな種類のドラマや映画の内容を理解することができる。
話す: 社会性の高い幅広い話題についてやりとりをすることができる。
□ 社会的な話題や時事問題について、質問したり自分の考えを述べたりすることができる。
□ 会議に参加してやりとりをすることができる。(イベントの打合せ、会社のミーティングなど)
□ 幅広い内容について、電話で交渉することができる。(予定の変更、値段の交渉など)
□ 相手や状況に応じて、丁寧な表現やくだけた表現を使い分けることができる。
書く: 社会性の高い話題についてまとまりのある文章を書くことができる。
□ 社会的な話題について自分の意見をまとまりのある文章で書くことができる。(環境問題に関してなど)
□ 自分の仕事や調査について、まとまりのある文章を書くことができる。(レポート、報告書、仕事のマニュアルなど)
□ 商品やサービスについて、苦情を申し立てる文章を書くことができる。(商品の故障、サービスの内容など)
□ 社会的な話題に関する雑誌記事や新聞記事の要約を書くことができる。(社説や論文など)
□ 講義や会議の要点のメモをとることができる。
自信のある項目には□の中にㇾ点か〇印を付けて、チェックリストとして使ってください。
6.毎日必ず「チェックリスト」でチェックすること
確実に英語を母国語のように使いこなせるレベルまで自分1人で努力するためには継続するための工夫が必要です。確実に練習メニューをこなすためには、この学習法を良く理解している「アイザック外国語スクール」のようなところで指導を受けるのが理想的ですが、それができない場合は親や兄弟に「チェックリスト」で、練習を怠けていないかどおうかチェックしてもらう必要があります。頼める人がいない場合は、自分で自分をチェックしてください。
<1級練習メニューチェックリスト>
(平均練習時間:300時間、3ヶ月)
□生活の一部を英語ベースの情報網に切り替える(例:新聞、雑誌、インターネットのホームページをJapan Times, The New York Times, Newsweek, time, YAHOO! USA またはgoogleの英語版もしくは英語表記などに切り替える)
□趣味、関心のある分野についての読みものを英語で読む。
□英文学を研究したい人は次にシェイクスピア作品を読む:
□『The Merchant of Venice』
□『Romeo and Juliet』
□『King Lear』
□『Hamlet』
□英文学以外の事をやりたい人は、『Mark Twain: Adventures of Huckleberry Finn』を読む
□『The Federalist Papers』を読む
□英検1級Can-doリストの読む、聞く、話す、書くのチェックリストで実力をチェックする
□英検1級試験を実際に受験するか、インターネットで試験問題をダウンロードして挑戦し、自己採点する。またはTOEICの試験を受けて、スコアが900点以上であることを確認する
□毎週の内1日は、音読(テキストは自由)を30分以上実行する。以後、この習慣を続ける