すぐ使える「会社訪問での英語表現」元NHK英会話講師が解説
すぐ使える「会社訪問での英語表現」元NHK英会話講師が明日から使えるビジネス英語を紹介します。発音のポイントも合わせて今回ご紹介するのは、このシーンで使える4フレーズ!
1.販売網についてたずねる
What are the major channels ofdistribution?
相沢:来客の対応もビジネスマンとして大切にしないといけないことですが、反対に他の会社を訪問したときもきちんと振る舞わないといけないんですよね。だけど、まだ赴任してから他の会社に一人で訪問したことなくて・・・・・・。
アズマ:もしかして、今度一人で会社訪問することになったんですか?
相沢:そうなんです! 取引先の会社だから粗相のないようにって念を押されたんですけど、会社訪問のときに役立つ英語の表現を教えてください。
アズマ:そういうことでしたら、お安いご用です。取引先の会社に訪問するということは、その会社のことをもっと知ることができるチャンスです。その会社について色々なことを尋ねるときの表現を教えますね。
例えば、どんな流通をとっているのかについて聞く場合は、このように言います。What are the major channels of distribution? 御社は主にどんな流通をおとりになっていますか? という意味ですね。
「どういうルートで商品を一般消費者の手に渡しているのですか?」とか、「販売ルートはどのようになっていますか?」などとたずねるときの表現です。日本語では、ルートという言葉を用いますが、英語では「販売ルート」のことを、「sales route」と言っても通じません。
「国内では」と聞くのは、「at home」と付けてもいいでしょう。「外国では」なら、「abroad」または、「in other countries」などです。ちなみに、「販売戦略」は「sales strategy」といいます。
相沢:へえ。ルートって言っても通じないんですね。アズマ先生、この表現でちゃんと通じるように、正しい発音を教えてください。
アズマ:What are the major channels of distribution? の、意味の上で大切なところは、「What」、「major」、「channels」、「distribution」の4か所で、そこをひときわ強く発音します。channels[tʃǽn(ə)lz]の発音が日本語式の「チャンネルズ」にならないように注意しましょう。
ネイティブの発音ですと、「チャ」のところがひときわ強く、全体に「チャノーズ」のように聞こえます。それを意識してください。「What‿are」も [wɑ́tə]と一語のように発音してください。声は最後で下げるといいですね。
◆取引先の社員と、会社の流通について尋ねる相沢さんの会話◆
相沢:I'm more concerned with your domestic markets.What are the major channels of distribution within the country? /御社の国内市場により関心をもっているのですが。国内では主にどういう流通をおとりになっているのですか?
社員:We are totally on what we call the “chain store" system./いわゆる「チェーンストア」方式に、完全に依存しております。
相沢:You mean there's no wholesale process in between? /といいますと、途中に問屋の段階がないということですね?
社員:That's correct./はい、そうです。
2.業界でのシェアをたずねる
What's your market share?
アズマ:流通について尋ねる他にも、業界でのシェアについて尋ねることもあるかと思います。そのときに使える表現を紹介しましょう。
相沢:お願いします!
アズマ:What's your market share? 御社の業界でのシェアはどれくらいでしょうか? という意味ですね。「市場の何パーセントぐらいを占めているのですか?」と、マーケット・シェア(市場占有率)について尋ねるときの表現です。
この他には、「What's the percentage ofthe market share held by your company?」とも言えますね。
また、「share」にはこの他に「株」という意味があります。例えば、「私はその銀行の株を2千株持っている」というときには、「I have two thousand shares in the bank」となります。「株主」は「shareholder」または、「stockholder」と言います。
相沢:なるほど。Shareには2つ意味があったんですね。知らなかったなあ。アズマ先生、発音のコツを教えてください。
アズマ:What's your market share? の、強めに発音するところは、「What's」、「market」、「share」の3か所。 market share[mɑ́ːrkit ʃɛ̀ər]は両方強く発音するのですが、二つを比べると前の方が強くなります。market[mɑ́ːrkit]の発音が、日本語式の「マーケット」にならないように注意しましょう。声の調子は最後を下げるといいですね。
◆取引先の社員と、その会社の業界シェアを尋ねる相沢さんの会話◆
相沢:I understand you are one of the largest manufacturers of optical goods in this country.Could I ask a bit more about sales figures? /御社はこの国で光学機器の大メーカーの一つだと存じていますが、もう少し販売の数字的なことをお聞きしていいでしょうか?
社員:Sure.Go right ahead./どうぞ,おっしゃってください。
相沢:What's your market share? /業界でのおたくのシェアはどのくらいですか?
社員:If I'm not mistaken,it was over eighty-five percent last year./まちがっていなければ、昨年で85%以上だったと思いますが。
3.会社の主力製品をたずねる
What are your main products?
相沢:アズマ先生、例えば、相手の会社の主力製品を尋ねるときはどんなふうに言えばいいんですか?
アズマ:そんなときは、こうやって言うといいですよ。What are your main products? 御社の主力製品は何でしょうか? という意味ですね。相手会社の製品中、「主製品はどれですか?」とか、「主力製品はどれですか?」と尋ねるときの表現です。
「main」の代わりに「major products」とも言えます。機械類の場合には「products」よりさらに一歩すすめて、「models」(型)ということがあります。「What are your main models?」、どの型が主力製品なのですか?というようになります。
主力製品に対して、そうでないものは「marginal products」とか、「minor products」と言います。
相沢:なるほど。主力製品とそうじゃない製品についても同じ表現で尋ねることができるんですね。アズマ先生、この表現の正しい発音のしかたを教えてください。
アズマ:What are your main products? の、強めに発するところは、「What」、「main」、「products」の3か所です。「What‿are‿your」は[wɑ́təjuə]と一息に一語のように言いましょう。 「mainproducts」[méin prɑ́dəkts]は両方同じくらいに強めましょう。
「products」[prɑ́dəkts]の発音が、日本語式の「プロダクト」にならないように注意しましょう。声は最後で下げるといいですね。
What are your main products?
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◆取引先の社員と、その会社の主力製品を尋ねる相沢さんの会話◆
相沢:Besides musical instruments,what else do you produce? /楽器のほかに,何をお作りになっていますか?
社員:Well,we manufacture furniture,motorbikes,skis and other sporting goods./そうですねえ,家具,オートバイ,スキー,それからその他のスポーツ用品も作っています。
相沢:What are your main products among those? /その中で主力製品は何でしょうか?
社員:They used to be motorbikes,but now skis and other sporting goods are replacing them.I would put skis at the top of the list./以前はオートバイだったのですが,今はスキーとほかのスポーツ用品がとって代わっています。スキーを一番に上げたいところですね。
4.生産能力をたずねる
What's your monthly productive capacity for this model?
アズマ:相沢さん、他にはどんな表現を知りたいですか?
相沢:そうですねえ。生産能力について聞くこともあるんですけど、どうやって聞いたら良いですか?
アズマ:そういうときは、例えば、こんなふうに言うといいですね。 What's your monthly productive capacity for this model? この製品の月産能力はどれくらいおありでしょうか? という意味です。
相手会社の生産能力について「この機械の月産はどれくらいですか?」と尋ねるときの表現です。「毎日何台くらいですか?」と日産をたずねるときには、「monthly」を「daily」に置き替えてください。さらに、「一週に」ならば「weekly」、「一年に」ならば「annual」、または「yearly」と言うといいでしょう。
また、「販売能力はどれくらいですか?」と尋ねるときには、「What's your sales capacity for the model?」と言います。「capacity」は他に、「収容能力」という意味があり、「This room has a seating capacity of three hundred」、「この部屋には300人座れます」というふうに言います。
相沢:月産、日産とか置き換えるだけで、便利に使える表現ですね。「Capacity=収容能力」も覚えておいた方がいいな。アズマ先生、きちんと相手に伝わるような正しい発音方法を教えてください。
アズマ:What's your monthly productive capacity for this model? ですと、強めに発音するところは、「What's」、「monthly」、「productive」、「capacity」、「model」の5か所です。「monthly」[mʌ́nθli]では[θ]の音に注意しましょう。
「model」[mɑ́dl]の発音が日本語式の「モデル」にならないよう注意してください「model」はネイティブの発音ですと、最初の部分を思い切り強め、「デル」のところはむしろ「ドゥー」のように聞こえます。声は最後で下げるといいですね。
◆工場視察の際の、取引先社員と相沢さんの会話◆
相沢:Do you have overseas plants as well? /海外工場もあるんですか?
社員:Yes,we have one in Korea and two in America.We're building another in Mexico./はい、韓国に1つと、アメリカに2つ。今、メキシコにもう1つ建設中です。
相沢:What's your monthly productive capacity for this model? /この製品の月産はどのくらいですか?
社員:This one is manufactured only for thedomestic market,so let me see...it would beapproximately fifty thousand./これは国内市場用のみに製造されていまして、ええっと、約50,000台だと思います。
最後に
ビジネス英語を身につけるには、このようにシーンを想定した実践練習が一番の近道。マンツーマンで会話を中心にビジネス英語を学びたいという方は、一度アイザックの無料体験レッスンへお越しください。