すぐ使える「会議での英語表現」元NHK英会話講師が解説
すぐに使える仕事英語「会議での英語表現」を、元NHK英会話講師が解説します。絶対伝わる英語フレーズ、いまから一緒に覚えていきましょう。
今回お伝えするのは、次の4つのシーンで使える便利なフレーズ!
1.率直に意見を述べたいとき
2.暗に反対をするとき
3.相手の質問の真意を確認するとき
4.何かを提案するとき
さあ、一緒に覚えていきましょう。
1.率直に意見を述べたいとき
May I be quite honest with you?:率直に言わせていただいていいですか?
アズマ:相沢さん、浮かない顔ですが、何かあったんですか?
相沢:アズマ先生~、英語での会議って僕にはハードルが高すぎます……。
アズマ:会議ですか。確かに大変ですよね。日本人とのやり方は違いますし、自分の意見ははっきり言わないといけないですからね。
相沢:そうなんですよ! やんわり言ったところで僕の意見はスルーされてしまうし、かといってはっきりと言えばいいいってもんでもなくて。何か良い表現はないですか?
アズマ:それでしたら、こんなのはどうでしょう?May I be quite honest withyou?「率直に言わせていただいていいですか?」 という断りをするときの表現ですね。
このほかに「私の見方はこうです」と付け加えるときには、「The way I look at it is this.」と言うことも一緒に覚えておきましょう。その他にも、「To be quite honest with you,~.」とか、「To bequite frank with you,~.」とも言います。
相沢:色々あるんですね。全部覚えておかないと…
アズマ:ただ、「To tell you thetruth,~.」と言う表現もあるのですが、これまで言っていたことがみんなウソのような印象を与えるため、率直に意見を言う合には避けるようにしてください。
相沢:確かに、それは使わない方がいいですね。アズマ先生、発音はどんなふうにすればいいですか?
アズマ:May I be quite honest with you? ここで強められる語は、「quite」と「honest」の2つなので、その部分は強く発音しましょう。honest[ɑ́nist]を発音する際には要注意です!
日本語式の「オネスト」を用いると、英語ではearnest[ə́ːrnist]に間違われることがあります。honestの[ɑ́]という母音は口を大きく開け、のどの奥の方を広くして出してください。そして、with‿youは,[wiðju]と一息で一語のように発音するようにしましょう。全体の調子は,上げ調子にするといいですね。
◆会話の文脈からフレーズを覚えましょう◆
同僚:What do you think? 君はどう思う?
相沢:Well,may I be quite honest with you? そうだねえ、率直に言わせてもらっていいかい?
同僚:Yes? いいよ
相沢:The way I look at it this.Since you are not in a position to make any decision,you shouldn't have committed yourself.僕の見方はこうなんだ。つまり君は決定を下す地位にないんだから、言明をすべきじゃなかったんだよ
同僚:I see.なるほど
相沢:And at least you could have askedyour boss what to do.で、少なくとも上司に何をするべきかぐらいは聞くことはできたはずだよ
2.暗に反対をするとき
I'm not so sure about that.:さあ,どうですかね。私にはよくわかりませんが
相沢:会議って、反対意見を言うのがなかなか難しいんですよね。日本語でも苦手なのに、英語では全然言えないんです。
アズマ:それはもったいないですね。自分の意見としてであれば、反対意見を発言しても分かってもらえますよ。ただ、反対意見を言う際には様々な表現があります。相沢さんであれば、真正面から反対というよりも、暗に反対をするときの表現を覚えてもらうといいでしょう。
相沢:暗に反対をするときの表現、ですか。
アズマ:I'm not so sure about that.「さあ,どうですかね。私にはよくわかりませんが」とか、「どうもそうではないようですね」と言うときに使います。
この他に、さらに遠回しに反対の意をほのめかしたいときには、Well,I don't know about that.と言い、イントネーションで「さあ,どうですかね」と反対の気持ちをにおわせます。
ついでなので、これもお教えしておきますが、はっきり反対するときには、「I don't think so.」「I doubt it.」または「I disagree.」と表現します。
相沢:なるほど。英語にも遠回しな表現ってあったんですね。はっきり反対する表現も一応覚えておきます。反対意見を言う時に伝わらないのは悲しいので、正しく発音できる方法教えてください。
アズマ:I'm not so sure about that.の、意味の上から一番大切な言葉は、「not」と「sure」なので、まずこの2つは強く発音してください。次に「so」も強く発音されます。
「about that」はsureと結びつくと、「sure‿about‿that」[ʃúərəbáutðǽt]となります。一語のように、一息で続けて発音する練習をしましょう。so[sou]の発音とsaw[sɔː]を混同しないようにして、最後に軽く「ウ」の音をつけるつもりで発音するといいですね。
◆会話の文脈からフレーズを覚えましょう◆
同僚:What's happened to the new Hayashiproject since then? 新「林」計画は、その後どうなった?
相沢:It was abandoned.破棄されたよ。
同僚:Was it? I thought it had just beensuspended.本当? 一時保留されたと思ってた。
相沢:Well,I'm not so sure about that.If it had just been suspended,it should havebeen brought up in the meeting at least as an addendum.さあ,どうなんだろう。ただ、保留されていたら、会議で付帯事項にのぼっていたはずだけど。
同僚:But just think of all the money putinto that project.でも、その計画につぎ込まれた金額をちょっと考えてみてよ。
3.相手の質問の真意を確認するとき
Is that what you are asking?:おたずねになっていることはこういうことですか?
相沢:会議のときって、たまに質問されることがあるんですよね。でも、その質問の意味がよく分からない場合があって、適当に答えたらスルーされちゃうんですよ。質問の意味を聞くときの、何か良い表現はないですか?
アズマ:適当に答えるのはマズイですね。そういうときは、こんな表現を使いましょう。Is that what you areasking? 「おたずねになっていることはこういうことですか?」と確認をするときの表現です。
こうした表現には、このほか、Would you mind repeating your question?質問を恐れ入りますが、もう一度言ってくださいますか? と聞き返すこともできます。また、相手の言いたいことがつかめないときには、Is this what you aregetting at? このことをおっしゃっているのですか?と言って、尋ねてもいいですね。
相沢:なるほど。ちゃんと使えるように練習しなきゃですね。正しい発音方法を教えて頂けますか?
アズマ:Is that what you are asking? この表現の強く発音するところは、「that」、「what」、「asking」の3か所です。you‿areのところは[juə]と弱く一語として続けて発音しましょう。声の調子は最後で上げるといいですね。
what‿youの結びつきにも気をつけ、一続きに[wɑ́tʃu]と発音してください。「that」、「asking」に含まれている[æ]の音に注意が必要です。口を大きく開き、舌を下げ、のどの奥をひきしめるようにして出しましょう。
◆会話の文脈からフレーズを覚えましょう◆
相沢:Well,I'm alittle hazy about your question.How much is thenational income per capital――is that what you areasking? あのう,ご質問がちょっとはっきりしないんですが。国民1人当たりの年収がどれぐらいか……ご質問の主旨はこういうことでしょうか?
上司:No,it's not.What I'd like to ask is if it has been rising in this country latelyor not? いや,そうじゃない。私が聞きたいことは、それがこの国では最近上昇しているかどうかということだ。
相沢:I see.May Idraw your attention to this chart? Here,obviously it'srising very fast.わかりました。この図をご覧いただけますか?このとおり明らかに急上昇しております。
4.何かを提案するとき
What I suggest is this.: 私はこうしたらいいと考えますが
相沢:アズマ先生、あとお聞きしたいことがあるのですが、会議中に提案するときはどんな表現を使えばいいですか?
アズマ:珍しく積極的な質問ですね。
相沢:まだ提案したことはないんですけど、知っておいたらいざという時にできるかなと思いまして。
アズマ:その姿勢は素晴らしいと思いますよ。提案するときには、こんな表現がいいですね。What I suggest is this.「ではこうしたらどうでしょうか」とか、「私はこうしたらいいと考えますが」と前置きをするときの表現です。「What I suggest is that...」と文を続けることもあります。
さらに「~してはいかがですか」と提案するときには、「May I suggest that ...?」とか、「I'd like tosuggest that ...」となります。
相沢:へえ。丁寧な言い方をするように気をつけないといけないんですね。
アズマ:ビジネスではやはりそうですね。仕事などのあらたまった席では使われませんが、日常会話でごく親しい人に「じゃあ、こうしましょう」と言うときには「I'll tell you what.」と表現します。覚えておくと日常生活で使えるでしょう。
相沢:ああ、その表現ならよく聞きます。ビジネス向けの言葉も練習しなきゃ。正しい発音を教えてください。
アズマ:What I suggest is this.の、大切な言葉は、「What」、「I」、「suggest」、「this」の4か所。そこを強く発音しましょう。suggest[sə(g)dʒést]の発音が「サジェスト」と日本語式にならないように、後の方を思い切り強く発音することが大切です。
What‿I[wɑ́tái]も一息で発音するようにしてみてください。Whatは次にくるIがひときわ強く、声もそこで上がるためやや弱めになります。
◆会話の文脈からフレーズを覚えましょう◆
部下:I'm afraid this bank won't advancethe money.What shall we do? この銀行は資金を貸付けてくれないと思いますが。どうしましょうか?
相沢:Well,what I suggest is this.We should try a joint venture in order to raise the cash.じゃ,こうすればいいのでは? つまり現金を調達するために合弁企業をおこすべきだと思う。
部下:I see.Do youhave any particular company in mind? なるほど。おこころあたりの会社はありますか?
相沢:Yes.Howabout Johnson & Smith? ああ。ジョンソン・エンド・スミスはどうだい?
レッスン後
相沢:会議での発言って、つい遠慮しちゃうんですよね。アズマ先生から教えて頂いた表現をちゃんと練習して、会議でもちゃんと発言できるように頑張ります!
アズマ:会議は自分の意見を伝えるための場なので、お教えした英語表現をぜひ会議の中で使って、堂々と発言してくださいね。そのためにも、英語の表現を声に出しながら、練習してみてください。