すぐ使える「電話に出るときの英語表現」元NHK英会話講師が解説
すぐ使える「電話に出るときの英語表現」元NHK英会話講師が解説します。絶対伝わる英語フレーズ、次の4つのシーンを想定して使いそうな表現を集めました。
1.電話に出るとき
2.相手の名前をたずねるとき
3.お問い合わせを受けるとき
4.電話を切るとき
さあ、一緒に覚えていきましょう。
1.電話に出るとき
Hello.Thisis Union Electronics.May I help you?
アズマ:相沢さん、英語でのお仕事はうまくいっていますか?
相沢:まあまあですね。ようやく慣れてきたかなってところです。でも、まだ慣れないことがあって……。
アズマ:どんなことですか?
相沢:お恥ずかしいんですが、電話対応が苦手なんですよ。
アズマ:電話って日本語ですらも最初は聞き取りづらいと感じますよね。それがネイティブの発音となると、当然難しいのは分かります。
相沢:そうなんです。それに、自分の発音も聞き取ってもらえないことも結構あるんです。でも、電話対応ってビジネスマンの基本でもあるじゃないですか。電話越しでもちゃんとコミュニケーション取れるようになりたいんです。アズマ先生、電話対応のときに使える英語の表現を教えてください!
アズマ:わかりました。相沢さんの熱意に答えて、電話対応のさまざまな表現をお教えしましょう。電話に出るときと、電話をかけるときの2回に分けて、それぞれの場面に使える表現を紹介しますね。
相沢:ありがとうございます。今回は、電話に出るときに使える表現方法ですね。
アズマ:はい。まず、基本から。例えば、ユニオン電子工業という会社で働いていたとします。そこにかかってきた電話を取るときは、このように言いましょう。Hello.This is Union Electronics.May I help you?もしもし、ユニオン電子工業でございますが、という意味ですね。
英語で電話を受けるときの決まり文句です。このように社名を名乗り、「May I help you?」と相手の用件を尋ねましょう。電話を受けたほうから「Hello」と声をかけます。「Hello」以外に、朝なら「Good morning」、午後なら「Good afternoon」また、夕方までなら「Good evening」などと言うこともあります。
会社によっては、社名だけを言うところがあります。そのときには必ず最後の声の調子を上げるようにしましょう。そうすれば、また「~でございますが」と相手の用件を聞き出すことになります。
相沢:電話対応の基本の表現ですね。相手にきちんと伝わるように正しい発音方法を教えてください。
アズマ:Hello.This is Union Electronics.May I help you? の、強めに発音するところは、あいさつの「Hello」、それに「This」、「会社の名前」。そして、「May」と「help」がそれぞれ強くなります。
「May I help you?」の最後で声を軽く上げれば、相手に対する親しみの気持ちがそれだけあらわれ、電話に答えながら丁寧に相手の用件を聞きだすことになります。
◆会話の文脈からフレーズを覚えましょう◆
相沢:Hello.This is Union Electronics.May I help you? もしもし、ユニオン電子工業ですが。
ミラー:This is Miller of the FuturePublishing Company.May I speak to Mr.Williams,please? フューチャー出版のミラーですが、ウィリアムズさんはいらっしゃいますか?
相沢:One moment,please.I'm afraid he's not in right now.Shall Itake a message? 少々お待ちください。あいにくですが,今、席をはずしております。何かお伝えいたしましょうか?
ミラー:No,thank you.Just tell him I called.いえ、けっこうです。私から電話があったことをお伝えください。
2.相手の名前をたずねるとき
Who's calling,please?
アズマ:次も電話を受ける際の基本になる表現を紹介します。Who's calling,please? 「どちらさまでしょうか?」という意味ですね。電話で話し相手を確認するときの表現です。「Who is this,please?」とも言います。時には、「Who am I speaking to,please?」と言うこともあります。この言い方は、日本語の「この電話はどこにかかっていますか?」に当たります。
さらに、電話を受けた人が相手に対して、「どなたからのお電話と言ってお取り次ぎしましょうか?」という場合には、「Whom shall I announce,please?」と言います。
相沢:へえ。いろんな言い方があるんですね。アズマ先生、正しい発音を教えてください。
アズマ:Who's calling,please? の、強めに発音するところは、「Who」、「calling」、それに「please」なので、全体的に強く発音することを意識しましょう。リズムは、「calling」で声を下げ、「please」で軽く上げるように言うといいですね。
相手が名乗ったのに対し、「はっ?どちら様ですか」と再度聞き返すときには「Who'scalling?」を尻上がりに言ってください。「calling」[kɔ́ːliŋ]の発音では、[ɔː]の音に注意しましょう。口を大きく開け、のどの奥の方から声を出すようにするといいですよ。
◆会話の文脈からフレーズを覚えましょう◆
相沢:Hello. もしもし
グッドマン:Hello.May I speak to Mr. Yamada,please? もしもし、山田さんをお願いします。
相沢:Who's calling,please? どちらさまですか?
グッドマン:This is Goodman ofthe Future Publishing Company.フューチャー出版のグッドマンと申します。
相沢:Just a moment,please.He hasn't come to the office yet.しばらくお待ちください。まだ出社していません。
グッドマン:Can I leave amessage? 伝言をお願いできますか?
相沢:Of course.はい、どうぞ。
グッドマン:Please tell him tocall me back as soon as he is in.出社されたら私に電話くださるようお伝えください。
3.お問い合わせを受けるとき
If you have any other questions,just feel free to call.
アズマ:電話で問い合わせを受けるときに、最後に一言付け加えるといい言葉を教えますね。If you have any otherquestions,just feel free to call.「ご不明の点がありましたら、いつでもお電話ください」という意味です。「Just feel free to ~」で、「遠慮なく~してください」の意味になります。
ほかの場面にも、「Please feel free to come」「いつでもおいでください」のように応用できます。このほか「Please don't hesitate tocall」とも言えます。
相沢:なるほど。この表現を知っておくといいですよね。じゃあ、相手にちゃんと伝わるように正しい発音を教えてください。
アズマ:If you have any other questions,just feel free to call.の、強めに発音するところは、「have」、「any」、「other」、「questions」、「feel」、「free」、「call」です。「questions」の後で少しポーズを取り、声も少し上げましょう。最後で声は下げます。
「have」、「any」、「other」、「questions」のところはいずれも強く発音するので、ゆっくり発音するようにしましょう。「feel free」のところも両方を強めて発音します。
◆会話の文脈からフレーズを覚えましょう◆
社員:Can you tell me how to get therefrom the hotel? ホテルからそこへはどう行けばいいのですか?
相沢:We'll pick you up at seven,so will you just wait in the lobby? 7時に迎えに行きますので、ロビーで待っていていただけますか?
社員:Thank you.I'llbe there.どうもありがとう。そうします。
相沢:The meeting begins at 7:30.We'll prepare all the necessary material,soyou don't have to bring anything.会議は7時半に始まります。必要な資料は全部私どもで用意しますので、何もお持ちにならないでください。
社員:I see.わかりました。
相沢:If you have any other questions,just feelfree to call.何かご不明の点がありましたら、いつでもお電話ください。
4.電話を切るとき
Thank you for calling.
アズマ:では、最後に電話を切るときの言い方をお教えします。
相沢:お願いします。
アズマ:Thank you for calling.「お電話いただきまして、ありがとうございます」という意味ですね。電話をもらったほうの人が、電話を切る間際に「お電話くださり、ありがとうございます」とお礼を述べるときの決まり文句です。
軽い気持ちでよく用いられます。電話を切るときは、かけたほうの人から切るのがエチケットとされています。「話している途中で相手から切れてしまった」と言うときには、「He hanged up on me」となります。
相沢:そんなエチケットがあったんですね。覚えておかないと。アズマ先生、正しい発音方法を教えてください。
アズマ:Thank you forcalling.は、最後で声の調子を下げて発音されます。声の調子を上げると、相手に親しみの気持ちを表すことになるので、親しみを込める場合は、最後は上げるように意識するといいですね。
「Thank‿you」[θǽŋkju]の[θ]の音に注意が必要です。舌先を上の歯の裏側におしあてるようにして、そこから息を少しずつ出して発音してください。また、[æ]の音は日本語の「ア」と「エ」の中間のような音です。のどをひきしめるようなつもりで口を大きく開き、舌を下げるようにして発音しましょう。「for calling」は一語のように発音します。
◆会話の文脈からフレーズを覚えましょう◆
相沢:Hello.もしもし。
秘書:Hello.This is Miss Townsend,secretary of Mr. Robertsonof United Machine Company.May I speak to Mr. Yamada,please? もしもし、ユナイテッド機器のロバートソンの秘書のタウンゼントですが。山田様をお願いします。
相沢:Speaking.私ですが。
秘書:Oh,hello,Mr. Yamada.I'm calling to let you know thatMr. Robertson is ill and won't be able to attend the party tomorrow evening.山田さんですか。ロバートソンは病気で、明晩のパーティに出席できない旨をお知らせしたく電話をさしあげたのですが。
相沢:Oh,that'stoo bad.I hope he feels better soon.Thank you for calling.それはいけませんね。すぐよくなってもらってほしいです。わざわざお電話をいただきましてありがとうございます。
レッスン後
相沢:電話対応の際に知っておくと便利な表現ばかりなので、きちんと発音練習して実際に使えるように頑張ります!
アズマ:電話対応はビジネスマンの基本ですから、電話を通して気持ちの良いコミュニケーションをとるためにも、覚えておいた方が良い言葉たくさんあるので、頑張ってください。