「東大理Ⅲ医学部合格」合格体験記

「東大理Ⅲ医学部合格」合格体験記

こんにちは。生物の講師の矢野孝信と申します。東京大学理科三類に一浪で合格した合格体験をお伝えいたします。

なぜ医学部を目指したのですか?

 幼いころからシュバイツァーやナイチンゲールの伝記をとおして、医療を通して人を救えたらいいなぁという思いは持ち続けていました。また、両親には「人のために生きなさい。」と繰り返し家訓のように教えられてきたので、医者はそれを果たすのにもっともよい職業だな、とは感じていました。

具体的に将来の進路について考え始めたのは高校二年生の冬で、その時は医学部なんてとても狙えない成績だったので非常に悩みました。東大に行きたいという思いは強かったので、高校三年生ではとりあえず東大の対策を続けていました。その後、知人を亡くしたことや、自分が生涯やり続けて後悔はないといえる職業を自問自答していくのがきっかけで、東大理科三類を受けようと決意しました。

 現役では12点足りず、そのあとの東大後期受験も8点差で手が届きませんでした。浪人するにあたって、もう一度自分の受験動機を正し、自分には理三しかない、という思いで一年間を始めていきました。正直浪人期はつらかったですが、周囲の人々の支えやよき勉強環境のおかげで初志貫徹できたと思います。

 どのような高校三年間でしたか?

 中学からラグビーをやっており、中高の六年間はほぼラグビーに捧げました。勉強をしなかったので学校での成績は順調に落ちていき、当初は180人中10番台だった順位も高校2年には160番台にまで落ちていきました。

しかし、高36月までは部活を全うしたい思いから、高2からは塾を増やして勉強と部活を何とかやりくりし、部活を引退してからは勉強に一心に打ち込みました。周りの学生に比べてスロースタートだったので焦る気持ちは強かったですが、一日を通して全力でやるべきことをやる、という日々を積み重ねて直前期には6、7割受かるラインには到達しました。結局現役では受かりませんでしたが、合格発表後もほとんど後悔がなかったのを覚えています

 模試の判定は、理科二類ではすべてA判定でしたが、理科三類ではB判定以上をとれず、ひどいときはEF判定でした。そういった現実にも負けずにただ信じてやってこれたのは大きいなと思います。

 どのような浪人期でしたか?

 予備校に通っていたのですが、自分の管理が大変でした。僕は浪人中は友達を作らないと決めており、そんな中でモチベーションを保ちながら教科書を読み問題を解く毎日は、単調で孤独な日々でした。

時には勉強できずに一日中寝ているような日もありましたが、英語で映画を見たり、両親と食事に行ったり、銭湯に行ったりしながら、理科三類合格に向けて勉強を続けました。

予備校での授業や教材がとてもよく、自習する環境も整っていたので勉強はとてもはかどり、学力も向上しました。秋冬になると緊張でピリピリした日も続きましたが、ここまでやったら絶対受かると信じ、ただ「人事を尽くして天命を待つ」といった気持ちで変わらずに投入していきました。

本番では、苦手なはずの数学が予想より10点オーバー、化学も奇跡的に博打が成功し、結局結果は最低点より20点上回って合格しました。

模試は、夏はすべてA判定だったのですが、秋になると現役の生徒の勢いに押されC判定。そこからまた立てなおし、直前期には7、8割受かるだろうという学力でした。

 勉強時間と受験生活は?

 自由に時間を使える日は9時ごろから本格的に勉強を始め、22時ごろまで勉強していました。食事や休憩には時間をしっかり使っており、だいたい10~11時間ほど毎日勉強していました。行き帰りの電車では参考書を読み、歩いている時間は英語のリスニングをしていました。

携帯は激しく時間を奪われるので、途中から封印しました。ストレスもたまりやすかったのですが、昼寝とコーヒーブレイクは毎日続けていて、長く勉強することはあまり苦ではありませんでした。

 モチベーションが上がらないときは早めに休んだり、映画やハリーポッターなど、英語関連の趣味に走ったりしました。模試の成績が悪かった時などは塾のTAや親に相談し、一人で抱え込まないようにはしていました。友達といると、遊んだりご飯を食べに行ったり、どうしても勉強できない自分がいたので、あまり友人とは接さなかったです。

 全体的に大変な二年間でしたが、スケジュール管理や生活管理をこなしていくことで、何とか乗り切れたと思います。

 合格した喜び、将来の夢は?

合格発表はネットで見るのですが、自分の番号を見つけたときはうれしくて、思わず携帯を投げつけてしまいました。落ち着いたのち、何度も何度も自分の番号を確認しました。

浪人で合格した時は、解放されてうれしいというよりも、積み上げた二年間が終わるのか、という名残惜しい気持ちと、今までの自分の努力や周囲の支えに感謝したい気持ちでいっぱいでした。

理科三類というと宇宙人だらけのイメージで、別に天才でもない自分が行くとなると、現実味がわきませんでした。実際入学してみると、けた違いに頭がいい学生も多いですが、割と普通な学生もいて、安心しました。

将来の具体的な方向性は、臨床か研究かもまだわかっていません。でも、いずれの道にしても、ひとの心にしっかりとコミットし、体だけでなく心の健康を大きく改善できる医者になりたいと思っています。

応援メッセージ

 医学部を目指す皆さん。正直受験勉強は大変です。現実の壁は高いし、ストレスも多いし、努力が報われるとは限らない。でも、それを乗り越えていく力や技術、信念こそが自分の糧となり、宝なんだなと今は思います。だからこそ、つらい浪人時代を与えてもらって、僕はものすごく感謝してます。

自分に妥協せず、最善を尽くしたといえる日々を送ってください。そして大変な時こそ、医者になりたい動機に立ち返りながら、時にはうまい具合に息抜きをしながらも歩みつづけてください。あと、なんだかんだで大丈夫だよ、という心の余裕も忘れずに。

応援してます。

生物講師
矢野孝信
灘高校3年の6月にラグビー部を引退し、1浪の末、東京大学理科三類に合格
苦手だった科目は英数、得意科目は生物、国語

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