言葉と共に、文化を知る【イタリア語講師インタビュー】パオロ先生

アイザックのイタリア語講師、パオロ先生。講師歴はなんと26年、大ベテランの先生です。今までアイザックの他に、大阪外国語大学でも教えてこられました。
今回はパオロ先生に、イタリアの魅力や、普段のレッスンで心掛けていること、学習者へのアドバイスなど、色々とお話を伺ってきました。
食事中おしゃべりを楽しむイタリアと、ルールを守る日本
Q.日本に来て、最初の生活はどうでしたか?
まず感じたのは、食文化の違いですね。私が日本に来た頃は、イタリア料理といえば、ナポリタンやボロネーゼぐらいしかなくて、食べてみても何か味が違うんです。
それと、日本ではご飯やおかずが一斉に出されて、人とシェアして食べることも多いのに対し、イタリアでは順番に料理が出されて、あまりシェアすることはないですね。イタリアは食事の時間が長いことでも知られていますが、それは必ずしもたくさん食べているというわけではなくて、皆でおしゃべりを楽しむ習慣があるからなんです。
実際に日本で暮らしてみて良さを感じたのは、世界的に見ても治安が良く、安心して生活できるということですね。イタリアでは、信号無視や列に並ばないといったことも日常茶飯事ですが、日本ではルールがよく守られているなと感じました。
イタリアンは、イタリア語で注文しよう
Q.イタリアやイタリア語の魅力について教えてください。
イタリアの魅力といえば、まずは豊かな食文化です。せっかくイタリアに来ても、日本でお馴染みの料理ばかり注文するようではもったいないですよね。
イタリア語を勉強すれば、料理の言葉も分かるようになりますし、イタリア人とのおしゃべりも楽しめるようになりますよ。
それから、観光大国としても知られているように、どこに行っても、素晴らしい景色が見られるのも自慢の一つです。
日本では、夜遅くまで仕事に勤しむ人も多いですが、イタリア人の多くは家族との時間を大切にしていて、プライベートも充実していますね。
イタリア語の魅力としては、ほぼローマ字読みの言語で、発音も日本人に分かりやすく、学びやすいということですね。面白い言葉も沢山ありますが、ここで一つ、イタリア語のことわざを紹介してみましょう。
«Chi va con lo zoppoimpara a zoppicare.» ということわざで、「足を引きずっている人とよく一緒に遊びに行くと、その人も足を引きずって歩くようになる」という意味なんですが、日本語の「朱に交われば赤くなる」と似ていると思いませんか?
言語によって異なる表現の仕方を学ぶのも、なかなか面白いですよね。
言語+文化・習慣
Q.授業で重視している点や、生徒さんのモチベーションを上げるための工夫を教えてください。
イタリア語の勉強はもちろん、イタリアの文化や習慣などの情報についても紹介するようにしています。
いつも初回のレッスンでは、生徒さんがなぜイタリア語を勉強しにきたのかを確認して、その方がレッスンに何を求めているのかを察知するよう心掛けていますね。テキスト通りに授業を進めるのではなく、それぞれに合った話題を紹介していくのが私のスタイルです。
例えば、イタリアで料理を勉強したいという人には、料理の言葉や食文化を中心に紹介しますし、旅行に行きたいという人には、おすすめのスポットや、安全上特に注意すべき場所などついてもお伝えするようにしています。
生徒さんには言葉が話せるようになるだけではなく、社会や対人関係、食事の仕方のことなど、あらゆる面からイタリアのことを理解していただけたらと考えています。レッスンの雰囲気はフレンドリーで、お互い楽しく話せる関係です。
生徒さんからの感謝の言葉
Q.アイザックで講師をやっていて、よかったと思う点はありますか?
アイザックはスクール自体がアットホームなので、フレンドリーな雰囲気でレッスンがしやすいですね。
最初は皆さん緊張してレッスンにいらっしゃるんですが、すぐに打ち解けられるようになります。それから、グループレッスンと違って、生徒さんそれぞれのレベルや、何を学びたいかによって学習内容が変えられるのも、アイザックならではの良さでしょうね。
言語を学ぶ上では文法の話も避けられませんが、一見難しいと思われることでも、生徒さんに丁寧に説明して分かってもらえた時は、私としても嬉しくなります。もともと教える仕事が大好きなんですが、「先生の教え方は分かりやすい」とか「パオロ先生は一番いい先生」なんて言ってもらえた時は、教師冥利に尽きますね。
イタリア語を学び、ピザ屋さんを開く!
Q.先生のもとで学ばれた生徒さんは、どのように成長していきましたか?
特に印象に残っているのが、ゼロからスタートして、1年間レッスンを続けた後、イタリアに料理の勉強をしに行った男性のことですね。もう10年前の生徒さんなんですが、実は2ヶ月前に東京で偶然再会しまして、なんと自分でピザ屋さんを開いたと言っていました。
他にも、昔教えた生徒さんで、イタリア語がビジネスレベルにまで達し、イタリア関係の仕事に就いたという女性もいます。
上達の早い生徒さんに共通しているのは、「イタリア語を学んで何ができるようになりたいか」という、明確な目標を持っているということです。そうすると、自然とモチベーションも維持されて、学習も捗りますよね。
レッスン以外でも、自分の習ったイタリア語をすぐに使ってみたり、自分で自分の宿題を見つけてやってみたりと、イタリア語に触れる時間を作ることが大切です。
間違えを恐れずに
Q.これからイタリア語を学習したいと思っている皆様にアドバイスをお願いします。
どの言語にも言えることですが、まずは間違えを恐れずにどんどん話してみることです。多少のミスがあっても、相手に意味が通じればいいので、積極的にコミュニケーションを取ってほしいですね。
それと、自分で何か表現したいことがある時、いったん日本語で考えてからイタリア語に直すのではなく、直接イタリア語にする習慣がつくと流暢に話せるようになります。単語をメモする時も、カタカナではなく、ローマ字で書くようにするといいですね。
イタリア語を話せば、イタリア人が喜んでくれて、旅行もさらに楽しめるようになるはずです。日本人によく知られているローマやベネチアはもちろんのこと、サルデーニャ島にも足を運んでいただきたいですね。特に夏に行くと海がとても美しく、豊かな自然を満喫することができます。
ぜひ沢山の日本人の方に、イタリア語を学び、イタリアの魅力に触れていただければ嬉しいです。