地道な基本の積み重ねこそ上達への近道【ポルトガル語講師インタビュー】セシリア先生
https://isaac-education.co.jp/news/399
7/16(金)16:00-17:00
Zoomにて実施予定!
ブラジル・ポルトガル語の習得のためには、日本との文化の違いを学ぶことも効果的ですが、実は「語学習得にとって一番大事なことは、地道な基本の積み重ね」です。
そして今回は、ビジネスで現地に赴任される方のために”文化リスク回避”のための、文化や価値観の違いも合わせて先生に教えていただきましたので、ぜひ参考にしてみてください!
外国人にも分かりやすい日本語をお願いします
Q.日本に来て、最初の生活はどうでしたか?
まず日本に来て驚いたのは、技術が発展していること、接客のレベルが高いことですね。銀行やスーパーなど至る所で、「早く、丁寧に、正確に」ということが意識されていて、お客さんを待たせないよう工夫しているのが印象的でした。
それと、駅員さんがお客さんに対して「ありがとうございました」と言っていたのには驚きましたね。ブラジルではまず見ない光景です。
また、最初の頃は特に、日本人の使う日本語に戸惑いましたね。両親がブラジルで使っていた日本語とは違う、実際に日本で聞く言葉にギャップを感じ、理解できないことが多くあったと思います。
たとえば、スーパーに行ったときに「明日は開いていますか」と店員さんに聞いたのですが、その時「営業しています」という答えが返ってきたんですね。何の意味か分からず、別の店員さんに聞いても同じ答えが返ってきて…。
結局、「聞いても分からないし、明日また来てみよっか」とその場を去るしかありませんでした。今思えば店員さんは、ただ「はい」と答えてくれればよかったのに・・・。日本人の使う言葉って、複雑すぎて外国人には伝わらないことがあると思いますね。
とにかく明るいブラジル人
Q.ブラジルやポルトガル語の魅力について教えてください。
皆さんご想像の通りかもしれませんが、ブラジルはとにかく陽気な国です。日本では勤勉さが求められる分、ストレスを抱えている方も多いように感じますが、ブラジルはあまり小さなことで悩まず、明るい人が多いですね。
ポルトガル語は、ほとんどの発音がローマ字読みでアクセントも難しくありませんし、ラテン語起源のロマンス諸語の一つなので、フランス語やスペイン語などを勉強したことがある人には、非常に学びやすいのではないでしょうか。逆に、ポルトガル語を勉強すれば、他のロマンス諸語の習得も早くなります。
せっかくなので、ブラジルで最近よく聞く言葉を一つ紹介しましょう。特に男性が「美しい」という意味の'beleza'を”OK”の意味で使うようになりました。私がブラジルにいた頃は、違う言い方が流行っていたんですが、日本と同じように若者が新しい流行を生み出しているんです。
※ちなみに”OK”という手のジェスチャーがあると思いますが、これはブラジルでは禁止です!アメリカで言うところの”F○ck You”という意味になってしまうので、絶対やらないように。代わりに、親指を立てた(いいね!のような)ジェスチャーなら大丈夫です。
基本が定着するまでは根気よく繰り返す
Q.授業で重視している点や、生徒さんとの接し方で心掛けていることを教えてください。
レッスンでは、まず基本の定着を重視しています。ポルトガル語には、男性名詞、女性名詞という分類があるんですが、覚えるまで根気よく練習する必要があります。
最初は皆さんよく間違えるので、その度に私が指摘するようにしていて、段々と自分自身で気づけるようになると、間違えないようになりますね。動詞の活用も、コツさえ覚えてしまえば難しくありませんので、一緒に繰り返すことを心掛けています。
最初に間違える癖がついてしまうと、後からなかなか直せないので、まずは焦らず、基本がしっかり定着するように指導しています。ただ、レッスン自体はとても和やかで、お互い話しやすい雰囲気になるようにしています。生徒さんのことをよく褒めて伸ばしていますね。
郷に入ったら郷に従え。
Q.生徒さんのモチベーションを高めるために、工夫していることはありますか?
まず、その生徒さんがどのような方なのかをよく見て、何を勉強したいのか、どういった内容を求めているのかをレッスンに反映するようにしています。
たとえば、ビジネスでブラジルに行くために、ポルトガル語を勉強するという方が多いのですが、そういった方のレッスンではブラジルのビジネスのことや、日本人とブラジル人の働き方の違いなどについて紹介しています。
例えば、日本では、上司の言うことはたとえ嫌でも従う人が多いと思いますが、ブラジルの場合はそうではありません。嫌なことや納得できないことがあれば、たとえ上の立場の人だろうと、とことん言い返して従わないんです。
特にマネージャーのような立場として赴任する方には、そういった現地事情への理解も不可欠ですし、それ以外にも積極的に色々な情報をお伝えするようにしています。
思い出が残る個人レッスン
Q.アイザックで講師をやっていて、よかったと思う点はありますか?
アイザックのいいところは、生徒さん一人ひとりのためを考えたレッスンができることです。個々人のペースや理解度、そしてレッスンに何を求めているのかによってアレンジしていけるので、お互いやりやすいですね。
今までの生徒さんとも沢山の思い出があります。以前、ブラジルに赴任していた元生徒さんが、帰国後に会いに来てくださったんです。その時、「親の顔を見ても泣かなかったのに、先生の顔を見たら…」と涙を流し始めて、私も思わずつられて泣いてしまいました。その方は帰国後にレッスンを再開されたんですが、こうやって戻ってきてくださるのは本当に嬉しかったです。
ゼロからのスタートで、驚きの成長
Q.先生のもとで学ばれた生徒さんは、どのように成長していきましたか?
以前、ブラジルに赴任予定の方が、ゼロからの状態でレッスンにいらっしゃいました。とても熱心で、私からの宿題だけでなく、毎回ご自身で復習や予習までする方だったんです。
40時間が過ぎた頃には、レッスンの始まりから終わりまで全てポルトガル語で会話できるようになりました。
80時間で全てのレッスンが終わったのですが、その頃にはお仕事で使えるレベルにまで成長していましたね。
他にも、ゼロからスタートして、たった15時間しかレッスンを受けていなかったのに、赴任後にとても長いポルトガル語でのメッセージをくれた生徒さんもいました。短期のレッスンでこんなに文章が書けるようになるのかと、私自身もびっくりしました。きっと、レッスンの時間以外にも、ご自身で努力されたんでしょうね。
よく伸びる生徒さんの共通点としては、復習と宿題を毎回きちんとやってくることだと思います。基本をおろそかにせず、一つひとつを着実にこなしていくことこそが、上達への近道ではないでしょうか。
おしゃべりこそ語学短期上達のコツ!
Q.これからポルトガル語を上達させたいと思っている皆様にアドバイスをお願いします。
まずは緊張しないで、色々な人とどんどん話してみてほしいです。ブラジルは、外国人に対してもオープンな人が多くて、自分から挨拶して積極的に話しかければ、きっと仲良くなれると思います。
特にお仕事で現地に行かれる方は、日本人のコミュニティばかりで固まらず、ぜひ現地の人と交流を深めていただきたいですね。たとえポルトガル語を間違えたとしても、馬鹿にするようなことはありませんし、むしろ親切に教えてくれようとする人が多いはずです。
ブラジル人と一旦仲良くなれば、パーティなどのイベントに招待されるようになって、そこでさらに出会いが広がると思います。沢山の人とポルトガル語でコミュニケーションすることで、自然と耳も慣れていきますし、色々なことを教えてもらえるチャンスも増えていくのではないでしょうか。