タイでの生活経験を活かしたリアルなタイ語レッスン

タイでの生活経験を活かしたリアルなタイ語レッスン

アイザックのタイ語講師の大瀧先生。ご主人のタイ赴任がきっかけとなってタイ語を勉強し始めました。タイでの生活を終えた後、タイ語講師として日本で働き出し、働きながらも大学でタイ語を学ぶほど勉強熱心でいらっしゃいます。

日本人がタイ語の何が分かりにくいか現地ではどんなタイ語が必要かということがご自身の経験から分かっているので、日本人に合った教え方で、言葉だけではなく、現地での生活や習慣などもリアルに学べる授業をしているという大滝先生から、タイ語の魅力と現地での生活などについてお話を伺いました。

Q. タイ語を教えたいと思ったきっかけは何ですか?

A. 大学卒業後、一般企業に勤めていたのですが、本当は高校の英語教員になりたかったんです。教員試験を受けて、最終面接までいったんですけど、結果は不合格だったので諦めて一般企業に就職したんです。

タイへ赴任していた当時、私と同じようにご主人の赴任についてきていた日本人の奥さんの間で、タイ語を身につけて日本に帰っても警察での通訳の仕事しかないという定説があったんです。日本にいるタイ人はあまり悪いことはしないので、仕事なんてない。それが常識のようになっていたので、皆さん生活に必要なタイ語だけ話せるようになるとすぐにタイ語を学ぶのをやめてしまうんです。

私はまだまだ勉強したくてずっとタイ語を勉強していたのですが、それを見ていた人から「あなた、何のためにタイ語を勉強してるの?」ってよく聞かれました。「まあ、好きなんだろうね」って返したら、「好きじゃしょうがないわよね」って言われたこともあります。タイ語が好きだという理由以外にも、内心タイ語で身を立てたいと思っていたのかもしれません。

日本に帰ってきて英語講師を募集している派遣会社や語学学校に電話をして、「タイ語いりませんよね?」と弱気で聞いたところ、すぐに「いります!」と言われて、講師として働き出したんです。本当は英語で身を立てたいという夢があったのですが、英語の世界ではなかなか難しいなと思ったので断念していたんです。タイ語を使った職業ができるとは思ってもみなかったのですが、やっぱり心のどこかで語学で身を立てたいとずっと願っていたんじゃないでしょうか。

 

Q. タイと日本の文化の違い、生活のギャップを感じるのはどんな時ですか?

A. 王様と王族に対する国民の思い、態度にまず驚きましたね。例えば、映画や式典を見に行くと、必ず映像が始まる前に国王賛歌が流れます。そうすると全員起立して頭を下げないといけないんです。初めて見た時はびっくりしました。

 その他にも以前、国王のお妃様のシリキット王妃が、BTSというバンコクを走っている鉄道に乗られたことがありました。王妃が駅に降りられてから、黒塗りの車に乗られるまでのたった十数メートル歩くだけのために、楽団が来て女王様の曲を演奏するんです。その間周りにいる国民は全員直立不動。もちろんBTSにも乗れないし、交通も全部ストップするんです。私もそういう場面に遭遇したことがありました。

 それから、王族の方がお出かけになると交通が遮断されます。子どもがバスで日本人学校に通っていたので、連絡網で電話が来て「今日下校時間が変わります」って言われるんです。バスも止まってしまうので、下校時間を変更させていたんですね。

 タイ人は今の国王のプミポン国王を凄く尊敬していて、国王の悪口はご法度。こんなふうにとっても王族を大事にしている国なんですよね。また、国王が治める国も大事に思っているんです。朝の8時と夕方の6時に国歌が毎日流されます。それが聞こえる所にいたら必ず立ち止まって国歌を歌うんです。それが終わると何事もなかったかのようにまた元の生活に戻っていくんです。私の授業の時に、生徒さんにその様子を映像として見せるのですが、そうすると皆さん、「本当にこんなことしてるんですか!」って驚かれますね。

 

 それから、タイは仏教徒が94なので、お坊さんに対する考え方が全然違いますね。タイでは息子がお坊さんになることが最も親孝行だと言われています。お坊さんはとても戒律が厳しく、女性に触れてもいけないし、ご飯も12回しか食べてはいけない。さらにお金を持ってはいけないので、皆さんが差し上げる食べ物で暮らしています。

また、ニューハーフも凄く多く、社会で受け入れられているんです。例えばカメラ屋さんに行った時、髭を生やして、足の毛も髪も伸ばしたミニスカートをはいた店員さんがいました。日系企業の工場でも必ずニューハーフがいるのですが、差別されることもなく皆さん普通に働いていらっしゃいます。

 タイ人は性格にも特徴があるんです。熱帯の人は時間におおらかなんですね。タイに行って家のプロパンガスが止まった時、ガス屋さんに電話して注文してもまず3日、4日は持ってこないんです。だから全然料理ができないんですよ。また、何かが壊れて修理屋さんを呼んでもまず時間通りに来てくれませんでした。私の中では物事をきちっとするのがすごく大事だったものですから、タイ人が約束の時間を守らないことにイライラしていたんです。タイに行った当初は忙しい日々を送っていたので、熱帯の気候の中で疲れて、食中毒にあって入院してしまったんです。その時に気づいたことがあって、この暑い国で急いだりキリキリしたりするのは体に良くないなって思ったんです。

タイでは、「マイペンライ」っていう言葉をよく使います。「気にするな」とか「大丈夫」とかそういう意味で、何でもマイペンライって言うんですね。マイペンライは「タイ人の知恵」なのではないかと思えるようになって、おかげで今私はタイ人の真似をして昔よりは呑気に生きられるようになったような気がしています。

 タイに赴任される方にもそういう話をしています。もうちょっと大らかな気持ちでいかないとなかなか向こうの人とは上手くいきませんよという話を必ずするようにしています。

 

Q. タイ語を学ぶ際に苦労したことは何ですか?

A. 主人は会社がお金を出してくれて、50時間タイ語を勉強してタイに行ったのですが、私はほとんどやらないで行ったので、最初は何を言っているのか全然分からなくて本当に困りました。日本人向けのタイ語学校がバンコクにたくさんあったので、現地で学ぶという形になってしまったのですが、ちょっとでも日本でタイ語を勉強やっていったらよかったなって思いました。

タイ語には英語のように文法書や、上級者向けの教科書がとても少ないんです。なので、1冊の教科書をボロボロになるまで読んで勉強していました。辞書もあんまり良いのがありません。テキストが少ない中で勉強するのは大変ですが、今でも1冊のテキストがボロボロになるまで勉強をしています。

 

Q. タイ語ができて良かったと思うことはありますか?

A. タイにいる時、タイ語がちょっとずつしゃべれるようになっていったのですが、そうするとタイ人の色んなことが分かってきてより親しみを持てるようになったんです。タイに赴任する時、タイ政府が雇用振興のためにメイドさんを雇ってくれということで、住み込みのメイドさんを雇っていたんです。同じ家の中に言葉があまり通じない人がいるというストレスが最初は凄くありました。考え方も習慣も違うし、彼女の家事の仕方がちょっといい加減な所があったりして。掃除機をかける時下を見ないでかけたり、お皿を割っても、「あー、割れちゃった」って笑ってるし、雑巾を1枚でも洗濯機で洗っちゃうんです。

 そのメイドさんはスーさんというのですが、だんだんタイ語が話せるようになってきた時、「スーさん、長いお休みあげるから実家に帰ってきていいよ」って言ったんです。そうしたら彼女が「奥さん、私もう帰る場所ない」って言ったんです。「え、どうして?」って聞いたら、実家はお兄さんの代になっていて、お兄さんの子供が10人いるからもう居場所がないということだったんです。それを聞いて初めて「ああ、この子高校卒業してずーっとこうやって言葉が通じない人の所に来て働いてきたんだな」ってことが分かったんです。それから彼女が何をしても色んなことが許せるようになったんです。タイ語が話せるようになって、タイでの生活が凄く変わっていきましたね。

 

タイ語の授業では何をポイントに教えていますか?

A. 授業の中では必ずタイ人の性格や生活などを説明して、分かり易くするためにタブレットを使って映像を見せています。例えばニューハーフが出演しているワコールのブラジャーのCMなどを見せながら、自分の経験を踏まえて色々な話をしたりしています。

 テキストは自分で作った物も使っています。日本人がタイでよく使う言葉を私は知っているので、それを日常会話として作った例文や、タイの基本情報などが書かれたテキストになっています。それと一緒に、一般で売っているタイ語の本を使って教えています。

 また、私がタイ語を教える際に大切にしていることは、やる気を出して飽きさせない授業をするということです。タイ語を習いに来る人は、赴任する人が多いので、必要に迫られて来たという人がほとんどです。なので、生徒さんがつまらなくなって眠くなる授業はしないように、絶対に眠くさせないぞという気持ちで教えています。

飽きさせないために、常にこちらからの質問を多く、そして何より、本当によくやってこられたな、宿題を家で勉強してこられたんだなと思ったり、この方良くできるなと思ったりしたことは、必ず褒めます。「凄い!」、「上手!」と言ったりして物凄く褒めると、生徒さんのやる気もぐんと上がります。


アイザックのタイ語講師をやっていて良かったと思う点はありますか?

A. スタッフの方々が全員とっても話しやすいことですね。スタッフの方々と顔を合わせる機会が多くあるので、自然と打ちとけていくような気がします。また、学校で他の語学の先生と時々お会いできるんです。他の言語の先生と知り合うことができたというのが私は凄く良かったと思っています。他の言語の先生たちと交流できる場をセッティングして下さった先生がいて、本当にその方には感謝しています。色々な言語の方と知り合うことができたのでこれはアイザックならではだと思います。

 

Q. これからタイ語を上達させたいと思っている人たちへのアドバイスをお願いします。

A. タイ語を上達させたいと思っている方は、タイに行きたいと思っている方だと思います。タイ人はタイ語を話すと凄く喜びます。

 例えばタクシーに乗って、タイ語でどこどこ行ってと言うと、「おお、タイ語しゃべれるんだ」と言って近道してくれます。タイ語がしゃべれないと遠回りするんです。観光地に行ってもタイ文字が読めると、タイ語では30バーツと書いてあるのですが、日本語では入場料300バーツと書いてあるんです。10倍も違うので、もちろん私は30バーツで入ります。

 タイ語を話す時は間違ってもいいんです。大らかな国民なので、間違っているからと言って馬鹿にはしません。その国の言葉でタイ人とコミュニケーションをとろうとする姿勢を持ってほしいんです。例えば、日本にフランス人が来たとして、何年もいるのにフランス語しかしゃべれない人を見たらちょっとこの人日本のこと嫌いなのかなと思ったりしますよね。だけど、下手でも日本語で必死でしゃべろうとする外国人って感じが良いじゃないですか。なので、生徒の皆さんにも必ず下手でもいいからタイ語で話すようにとお願いしています。英語も通じる所はありますが、その国の言葉でコミュニケーションをとる姿勢を必ず持ってください。

 そして、まずできましたら日本でタイ語をある程度身につけてからタイに行ってください。男性は特に仕事が物凄く忙しいので、タイ語を学ぶ時間がありません。主人もほとんどありませんでした。朝早く家を出て、夜は12時を過ぎて帰ってきていました。バンコクに住んでいて、工場に行くまで1時間、2時間、車で通っていたので、移動に時間がかかるということもあり、とにかくタイ語を学ぶ時間がなかったんです。なので、少しでもいいので日本である程度身につけてからタイに行くと全然違うと思います。

 具体的にタイ語を学ぶ際のアドバイスを言うならば、まずリスニングはCDをどんどん聴くこと。タイ語には日本語にはない5種類の声調というのがあります。5種類、全部意味が違ってきます。こういうのもCDを何度も何度も聴きながら耳で覚えてください。そしてスピーキングは音読をすること。また、会話は暗記も必要ですね。それとライティングとリーディングは、タイ文字は一見難しそうに見えますが、一定の法則を覚えてしまうとあとは読めるようになるし、書けるようになるんです。授業の時間数が長い生徒さんにはタイ文字も教えます。そうすると理系の方はパズルを解くみたいでおもしろいと言ってどんどん読んでいってくれます。


最後に

アイザックではバイリンガル講師からマンツーマンでレッスンを受けることができます。少しでもタイ語に興味をお持ちでしたら、まずは無料体験レッスンを受けてみてはいかがでしょうか?

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