ベトナムの旧正月『テト』-駐在現地レポート
中国を初めとするアジアの多くの国では旧暦のお正月である旧正月をお祝いします。現在日本でも爆買いで話題になっている中国の『春節』もこの旧正月の中国式の名称なのです。
ちなみにこの旧正月、中国では春節と呼ばれていますが、各国で呼び方が違うのをご存知でしょうか。
今回ご紹介するベトナムでは旧正月のことをテトと呼びます。テトはベトナム人にとっても1年の中で一番大切な期間で、日本のお正月のように街中がお祝いムード一色になります。テトはだいたい1週間ほど続き、その期間中は国民の祝日となるのですが、現在テトの真っ只中なベトナムからその様子をレポートしたいと思います。
正月を祝う花や植物
日本でもお正月には正月用の花を活け祝うと思いますが、ベトナムでもお正月には縁起のいい花や植物を飾ります。伝統的なものとしては金柑や蜜柑の木、桃の花や黄色の菊が人気です。これは黄色が縁起のいい色とされているからであるのと、金柑や蜜柑は子孫繁栄も願われているそうです。
ホテル、デパートの豪華な飾り
ホテルやデパートのお正月飾りは立派で豪華です。金柑の木もたわわに実っています。2つ目の写真には正月飾りの一つの赤い正月札がつりさげられていました。
露店で売られる花々
こういった正月用の花々はこの時期になると街中至る場所に出される露店で売られるようになります。普段は花屋さんでないお店まで、この時だけは花を売っていたりします(笑)金柑も立派な木が鉢ごと売られていました。
花の運搬方法
買った花の運搬はベトナムでは一番ポピュラーな乗り物であるバイクで運ぶことが多いようです。最近はこの光景も見慣れましたが、本当にベトナム人は何でもバイクで運んでしまいます。事故になりませんようにと祈るばかりです。
最近の若者は都会でお正月を過ごす?
これを書かせていただいている今年の2017年のお正月は1月27日が大晦日、1月28日が元日です。ベトナムは役所や銀行、企業は1月27日~2月1日までは公休で、国民は民族大移動とばかりに、それぞれの田舎に里帰りをするのが、習わしです。その間、一般の商店も基本的には休みになります。一昔前の日本と同じです。
ですが、近年は大手のスーパーマーケットや、デパートは大晦日の午後から元日までの一日半だけ休みにする店が増えてきています。ハノイのイオンモールは、唯一正月でも無休のさすがの日系ショッピングモールです。
少し前までは、ハノイやホーチミンには、田舎から働きに出てくる人が多く、それぞれが田舎に帰っていたらしいですが、最近では、都会生まれの人も多く、田舎がなく、お正月でも都市で過ごす人も増えているらしいです。
スーパーのお正月用商品大売出し
お正月までの時期はスーパーにはお正月用の食料品が所せましと並べられます。いつも食べるお菓子もお正月用の特別仕様です。買って帰って手土産などにするようなのですが、どれだけ買うん!?と突っ込みたくなるほど、ベトナムの人は爆買いしています。スーパーの大きなカートに山盛り乗っているお菓子は日本人からすると非常に面白い光景です。どうやって持って帰るのか心配になるレベルです…。
私も周りの方の雰囲気につられて、巨大な缶入りオレオを買ってしまいました(笑)
テトに欠かせないベトナムのお節の一品
ベトナムにもお正月やお祝いごとの時に食べる特別な料理が存在します。いろいろとあるのですが、中でも絶対に欠かせないのはバインチュウという料理だと思います。
バインチュウはベトナム版のちまきのような料理です。モチ米の中に豚肉と緑豆をしっかりすりつぶしたもの入れて、特別な葉っぱで巻き半日以上大鍋で煮て作る料理です。家庭で作ることもありますが、手間がかかる料理のためかスーパーで出来合いのものも売られています。
スーパーで山積みで売られていました。食べるときはこれにベトナムの魚醤ニュクマムをつけて食べるとおいしいのだそうです。
ベトナムはこのテトの旧正月時期はお店がほとんでしまっているので、観光にはあまり向かないかもしれませんが、この時期にしか見られない景色があるのも確かです。またもしベトナム人の方と交流があるのでしたら、一度旧正月の文化体験をさせてもらうのも楽しいかもしれませんね!ぜひ日本とは違ったお正月の祝い方を楽しんでみてください。
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