言語からインド思想に触れる【ヒンディー語講師インタビュー】ニガム先生

言語からインド思想に触れる【ヒンディー語講師インタビュー】ニガム先生

ヒンディー語講師のニガム先生、日本とインドの文化・習慣の違いや、宗教・思想のこと、または普段のレッスンで心掛けていること、これからインドに行く方へのアドバイスまで、インタビューしてきました。

 

ニガム先生は日本人の女性と結婚し、15年前に来日ヒンディー語の講師歴は10年以上というベテランで、現在はアイザックでのお仕事の他に、都内でインド料理屋の経営もしています。

 

秩序の保たれた国

Q.日本に来て、最初の生活はどうでしたか?

 

実は、日本に来る前に北京に留学していたことがあるので、日本ではそれほど大きなカルチャーショックを受けなかったんです。北京での生活は大変なことが山ほどあったんですが、そのおかげで外国で生活していくことに慣れたんでしょうかね。

 

ただもちろん、日本でも文化や習慣の違いを感じることはありました。日本人はルールを守る人が多くて、乗り物に乗る時もちゃんと列の順番を守りますし、ゴミを捨てる時もきれいに分別していて、全体的に秩序が保たれていますよね。それに、自分の家以外の公共の場所もなるべくきれいに保とうとするので、街を歩いていても気持ちがいいです。

 

インドの場合は、ゴミを分別する習慣がなく、自分の家以外は散らかしても問題ないと考える人が多くて、街のあちらこちらにゴミが散乱しているんですよ。全体的に日本に比べてにぎやかな雰囲気で、よく宗教のお祭りもやっています。

 

 

インド的な考え方に触れる

Q.インドやヒンディー語の魅力について教えてください。

 

まず、インドの魅力としては、「多様性を受け入れる社会」という点が挙げられますね。

インドはヒンドゥー教の他にも、イスラーム教、キリスト教、シーク教、仏教など、あらゆる宗教が信じられている国です。異なる宗教の人と一緒に働いていて、それぞれの宗教の事情により会社をお休みさせてもらうこともできますし、他の宗教の祭りでも一緒に参加することもありますね。自分とは異なる宗教に対しても寛容な人が多いです。

 

また、ヒンディー語の魅力としては、言葉を学ぶことでインド的な考え方に触れられるという点ですね。ヒンディー語というのは、インド哲学と結びつきの強い、サンスクリット語から生まれた言語だからです。

インド哲学というと、難しく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的な単語を覚えていく過程でも、インド的な考え方を感じることができるんですよ。

 

例えば、時間についての概念です。ヒンディー語では、「昨日」と「明日」は同じ単語で、「一昨日」と「明後日」も同じ単語で表すんですよね。

古来からインドでは、時間は一直線に過ぎていくものではなく、円のように循環していくものと考えられてきました。なので、「昨日」も「明日」も、「今日から1日離れている」という意味ですし、「一昨日」と「明後日」も「今日から2日離れている」という意味で、それぞれ同じ単語で表しているんです。

「では、どうやって過去と未来を区別するの?」と疑問を抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、動詞の形を見れば過去か未来か分かりますので、不自由することはありません。

 

ヒンディー語の文法は日本語と似ているところも多く、日本人にも学びやすい言語なのではないでしょうか。ぜひ、多くの方にヒンディー語を学びながら、インド的な考え方の面白さを感じていただきたいですね。

 

 

基本の定着を意識して

Q.レッスンでは、どのようなことを重視していますか。

 

レッスンでは、まず基本の定着を重視しています。例えば、発音のトレーニングですね。

ヒンディー語には「有気音」という、日本人には馴染みのない発音もあるんですが、それがうまく発音できないと、正しく意味が伝わらないこともあるんです。生徒さんそれぞれ得意な発音、苦手な発音は異なりますが、一人ひとりの弱点に合わせて丁寧に指導するようにしています。

 

他にも、初期の段階で、男性名詞・女性名詞という分類を勉強するのですが、これは正しく話せるようになるためにも必要不可欠な知識なんです。最初は、こういった基本がしっかりと定着するよう練習を繰り返し、後々生徒さんが自分の言いたいことを自由に話せるよう、応用へとつなげていきます。

 

 

言語+文化

Q.生徒さんのモチベーションを上げるために、普段からどのようなことを心掛けていますか。

 

ヒンディー語だけでなく、インドの文化的な面もあわせて紹介するよう心掛けています。

「インドについてもっと知りたい」と思うようになれば、自然とヒンディー語の勉強も捗るんですよね。

レッスンの合間には、ラーマーヤナやマハーバーラタといった有名な詩や物語、歴史や文化についてもお話ししています。全て教科書通りに教えていくのではなく、そういった作品を読みながら文法を解説していくと、生徒さんにさらに楽しんで学習していただけるんです。

 

あとは、生徒さんが何にご興味をお持ちなのかを考えて、臨機応変に話題を変えています。例えば、お仕事で長期間インドに行かれる方は、生活習慣や買い物に関する基本的な情報から、ビジネス習慣の違いに至るまで、気になることが沢山ありますよね。

 

レッスンは明るく、フレンドリーな雰囲気なので、生徒さんからのリクエストにもどんどんお応えしていきたいです。

 

 

一人ひとりに最適なレッスン

Q.アイザックで講師をやっていてよかったことを教えてください。

 

アイザックの生徒さんは、一生懸命勉強に取り組む方が多く、こちらとしても非常に教え甲斐があります。

それと、マンツーマンレッスンなので、一人ひとりの個性を見ながら授業を組み立てていけるのもいいですね。アイザックは講師の裁量が大きく、生徒さんそれぞれに合わせたペースや学習内容でレッスンを進めていけるのも大きな魅力だと感じます。

 

 

ゼロから3ヶ月で日常会話

Q.先生のもとで学ばれた生徒さんは、どのように成長していきましたか?

 

以前、インドに赴任される前に、ゼロからの状態でレッスンを始めた方がいらっしゃいました。1回1時間半のレッスンを、週1回のペースで3ヶ月続けた結果、インドでの生活に困らないほど日常会話が上手になったんです。

 

成長の早い生徒さんに共通しているポイントは、発音や文法などの基礎をしっかりと身につけたうえで、自分で文を書いたり話したりなど、アウトプットする習慣をつけていることですね。

 

 

英語+ヒンディー語+α

Q.これからインドに行かれる方々にアドバイスをお願いします。

 

よく「インドは英語が通じるから」と、英語しか勉強しない人もいるかもしれません。

ただ、多くのインド人にとっては、英語は仕事の時に使うものであって、プライベートで家族や友達と会話する時は、インドの現地語を使っているんです。インドではヒンディー語を使っている人も多く、皆さんがヒンディー語を話すことで、きっとより多くの方々と温かい交流ができるようになりますよ。

 

それに、インド人は英語を話す時でも、ヒンディー語を少し混ぜながら使ったり、ヒンディー語っぽい発音で話したりすることが多いんです。仕事で英語しか使わないという方も、ヒンディー語を勉強することで、インド人の英語により早く慣れるのではないでしょうか。

 

ヒンディー語を学習して余裕があれば、ウルドゥー語やタミル語など、別の現地語にもチャレンジしていただきたいです。確かにヒンディー語が分かるインド人は多いんですが、地域によってよく使われている言語は異なります。

特に長期間赴任される方は、ご自身が行かれる地域の言語も理解できれば、さらに生活しやすくなりますよ

 

 

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